「製薬クリーンルームにおける微粒子モニタリング規準」 (381.5 KB)
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医薬品の製造は全て、cGMP(現行の医薬品製造適正基準)に従う必要があります。製薬会社は製品を市場に投入する前、全段階で規制に従っていることを立証しなければなりません。この資料では、製薬中の様々な微小汚染要件を説明し、清浄な製造環境を定義、環境に対する汚染制御の立証方法を明らかにします。
パーティクル カウンタが必要なわけは?
医薬品の製造は全て、cGMP(現行の医薬品製造適正基準)規制に従わなければなりません。cGMPでは、クリーンルームのバリデーションを実行し、生産環境に制限を課す必要があるとしています。こうした規制は米国では、米官報(Federal Register)コード21の下で米食品医薬品局(FDA)が管理しています。ヨーロッパでは、ECガイドラインが規範となります。従って、製薬会社は製品を市場に投入、消費者の手に渡る前に、全ての段階において、規制を遵守していることを証明する必要があります。
米cGMP規制が管理する生産活動は以下の項目です。
> 組織および従業員[21 CFR 211 Subpart B]
> 建物および施設[21 CFR 211 Subpart C]
> 生産および工程管理[21 CFR 211 Subpart F]
製薬会社は、医薬品認可を得るため、生産部署から独立して品質管理部署を用意しておく必要があります。この部署は、次のような日常的な品質管理業務を担当します。
ある具体的な工程があらかじめ定められた判定基準および品質特性に適合する製品を一貫して生産していることを文書によって立証します。
「バリデーションの一般原則」(1987年5月)におけるFDA定義
要件に適合するため、制御された環境で製品を生産します。生産環境の変動性をなくすため、また制御下にある環境を特定規準に適合するよう調整するため、クリーンルームを採用します。GMP規制が求めるものは、こうした環境を厳しく監視し、微生物および非微生物粒子汚染に対する現行の環境状況を完全に逐一認識しておくことです。
クリーンルーム
汚染制御の基本的な入口がクリーンルームです。旧連邦規準209Eでは、クリーンルームの定義を「制御された方法で、空気ろ過、気流、設備、建設資材、機器を管理したルーム」としています。操作手順を定義し、気中微粒子濃度を調整して、適正な粒子清浄度クラスに分類しています。ISO 14644-1は、クリーンルーム汚染値を定義する国際規格です。
製薬クリーンルームは気中の微粒子濃度に従って分類され、製造工程の清浄度規準に適合しなければなりません。ISO規格では、クラス数値が高いほど、微粒子濃度が低くなります。クリーンルームは0.5μm径の粒子が1立方フィート当たりに存在する個数によって分類されていました。クリーンルーム クラスの判定は、実際の統計的に有効な測定を基にしています。これは次のセクションでご説明します。
微粒子測定ルーム クラス分類
クリーンルームの微粒子を測定する状態は3つあります:
> 施工完了時(As-Built):サービス全てが接続され機能できる完了したルームだが、生産機器または従業員が施設内にない状態。
> 非作業中(At Rest):サービス全てが接続され、機器も設置済みで作業開始の準備は整っているが、従業員がいない状態。
> 作業中(Operational):機器全てが設置済みで承認に基づき機能でき、指定された数の従業員がその場で承認に基づいた手順で作業している状態。
気中浮遊微粒子試験は、施工完了時点のクリーンルーム内の指定されたグリッド位置で微粒子を測定します。測定点はルーム全体に作業面の高さで均等に配置され、作業場に近づくにつれ空気清浄度を示します。機器の位置は、規準のグリッドパターンに修正されることもあります。
各測定点で測定された数値は、クリーンルームのクラスおよび規準で指定されている統計的要件に左右されます。また、評価規準によると、データが信頼係数95%の領域に入れば、クラス数値を判定できます。ISO規格クラス5の判定には、粒径0.5μm感度のパーティクル カウンタ使用をお勧めします。
必要な最低サンプル数を計算:エリア(m2)0.5
最低サンプル量は20x1000クラス上限できまります。
合計測定時間(分):最低量x最低サンプル数28.3
次の表はISO14644-1クリーンルーム クラス分類です。
製薬クリーンルームは通常、クラス5(最無菌区域)、クラス7(周辺区域)、クラス8(支援区域)で運用されます。
製薬クリーンルーム利用
パーティクル カウンタを使用して、クリーンルームが規準に適合することを立証します。クリーンルーム クラス数値を取得することにより、クリーンルーム内で生産活動を行えることを明らかにします。FDAは2004年、2つの区域を定義する文書を発行しています。1つは「重要」区域で、ここでは、無菌医薬品、容器、封じ込めが、無菌状態を維持するように設計した環境に置かれます。2つめは「支援」クリーン区域で、ここでは、非殺菌部品、調合製品、中間材料、機器、容器/封じ込めが用意されます。こうした2つの区域の環境要件は、次のFDAガイドに示されています。
重要区域
環境に触れると汚染の影響を受けやすい無菌製品を含むため、この区域を重要と定義付けています。製品の無菌性を維持するため、無菌作業が行われる環境を制御し、適正な品質で管理することが必要です。環境の質の一つが気中の微粒子数です。微粒子は、外部からの汚染物質として製品に入り込み、微生物の乗り物の役目を果たして汚染するため重要事項です。
無菌容器/封じ込めがじかにふれる空気は、充填/封じ込め作業中、気流内の作業場から1フット(約30cm)以内で測定された場合、粒径0.5μm以上で1立方メートルに3,520個以内であれば、適正なクォリティと考えられます。この空気清浄度はクラス100(ISO規格クラス5)に分類されます。Particle Measureing Systemsでは、重要区域の空気清浄度を判定するため、無菌製品、容器、封じ込めに最も危険だと考えられる場所で測定することをお勧めします。微粒子測定プローブは、表示通りの向きに置いて、有意のサンプルが得られるようにします。各生産シフト中は、定期的にモニタリングをする必要があります。リモート測定システムを使用して、非微生物微粒子モニタリングを行うことをお勧めします。こうしたシステムを利用すると、より総合的なデータを収集でき、移動型パーティクル カウンタを使用するより、侵襲が起こりにくくなります。
重要区域では、ポイントオブユースでHEPAフィルタ空気を供給してください。気流は、充填/封じ込め区域から微粒子を排除するため十分な速度とし、作業中は一方向流を維持します。
支援クリーン区域:FDAは支援クリーン区域のクラス分類を次のように説明しています。
支援クリーン区域で行われる作業の性質は、そのクラス数値で判定します。無菌工程ラインに隣接する区域は、動的(作業)状態で最低ISO規格クラス7に適合するようお勧めします。製薬会社はまた、この区域をISO規格クラス6に格付けするか、無菌充填室全体をISO規格クラス5で管理できます。空気清浄度がISO規格クラス8に分類された区域は、それほど重要ではない作業に適しています(設備洗浄など)。
(無菌プロセスで製造した無菌医薬品のガイドライン、CDER、FDA2004年)
微粒子環境モニタリング
必要なcGMP遵守を果たすため、施設が製薬要件に適合していることを立証しなければなりません。気付かなければ壊滅的状態をもたらす断続的な出来事の検出など、現在の状況を逐一認識しておくため、クリーンな製造環境を厳しく監視する必要があります。一貫したモニタリングを実現できれば、情報の流れを持続させ、トレンドを判断する大量のデータが取得できます。
従って製造施設では、包括的な環境モニタリング プログラムを用意する必要があります。こうしたプログラムは、非微生物および微生物気中浮遊微粒子、表面の微生物汚染、さらに無菌区域、従業員などを監視します[21CFR211.42]。これらの手順では、測定点をモニタリングする頻度や位置、各区域の警告やアラーム限界に対処し、さらに区域のどこかで期待値を逸脱する結果が出た場合の対応措置を講じておかなければなりません。上限を超えた場合の対処には、トラブルの原因究明、製品への考えられる影響および再発防止などがあります。
一般的に、等級が低い区域(ISO規格クラス8、または非等級ルーム)では、それほど頻繁にモニタリングしないですみます。「制御された」環境(ある程度の微粒子制御を行う)でモニタリング頻度を抑えるなら、最高のクラス分類で測定した場合と同じ質が求められます。
品質または規制に関する査察では、微生物および非微生物粒子に対する規格が再審査されます。特に微生物モニタリングに的を絞って行われますが、これは完成品に大きな影響を与えることでしょう。ただし、ルームは、ルームのクラス分類を左右する微生物粒子レベルで分類され、非微生物モニタリングで判定されます。
EC規格クリーンルーム クラス分類
製薬会社は次のような事項に対応する必要があります。ISOクラス5の検証を受け、容器/封じ込めシステムも含む無菌製品や部品が露出する区域で管理すること、また上限を超える場合は調査を実行し適切な措置を講じること、無菌区域では特に微生物を同定しトレンドを監督することなどです。
製品をヨーロッパに輸出する場合、ルームのクラス分類に関するEC規格を遵守する必要があります。ECでは、ISO14644-1試験方法論に従ってルームをクラス分類するよう求めていますが、Annex1(付属書1)で設定されている上限が適用されます。この規格に適合するには、ルーム当り最低1立方メートルのサンプル測定が必要です。これは、粒径5.0μmで1個以下という統計的信頼度の要件に適合するためです。
クリーンルームの微粒子レベルのモニタリング
クリーンルームの微粒子レベルがISO14644-1基準に適合し、製品製造に適正な清浄度と検証された後、そのレベルが維持できることを立証しなければなりません。EUおよびFDA双方のcGMPガイドでは、無菌製造に許可される微粒子レベル、さらにモニタリングの方法や時期を定義しています。
移動型パーティクル カウンタ
清浄度を維持できるコンパクトな方法は、移動型パーティクル カウンタにデータを保存することです。その後、そのデータをコンピュータにエクスポートし、統計的な操作を行います。ただ、移動型パーティクル カウンタは、簡単にデータ取得ができるというより、多くの位置で、また頻繁に監視する必要にかられ利用されています。この需要は、運用コストの削減、GMPの信用性増強、規制遵守を要望することで、ますます増大しています。
施設モニタリングシステム
清浄度のモニタリング要件を満たすには、微粒子センサを組み入れたFacility Monitoring System(FMS)を設置することです。FMSは重要区域に設置された単一の連続微粒子カウンタ、または必要な測定に適したセントラル モニタリング コンピュータに接続した装置です。コンピュータはパーティクル カウンタからデータの取得を制御し、情報を記録、表示して、状態やトレンドのどんな変化でもオペレータに報告します。
パーティクル カウンタ以外の施設機器からもFMSへ入力できます。これにより、微生物モニタリング、差圧センサ、気流速度、および温度/相対湿度センサからデータを取得できる完璧な環境モニタリング システムとなります。
自動FMSは、測定に必要な労働力を削減、解釈用アプリケーションにデータを手動で転送し、レポートを作成して製品発売を支援すると共に、卓越した警戒監視も提供します。ISO14644-2では、連続微粒子モニタリング システムを設置したクラス5クリーンルームの再検証を24カ月毎に設定しています。ただし、連続システムを設置していない場合は、6カ月毎に再検証を受ける必要があります。
システム プランが優れていれば、操作時の考えられるトラブルが素早く検出でき、対応措置も迅速に講じられるでしょう。長期にわたる操作状態の重要トレンドは、どんなものでも見逃しません。統計的データ分析により、正常および異常な状況を厳しく管理し、確認できます。
自動的に微粒子を測定する基本的な方法は3つあります:
> パーティクル カウンタに接続したマニフォールド システム(マルチポート スキャンから複数のチューブを使用)
> 自立型微粒子センサ
> マニフォールドおよび微粒子センサのコンビネーション
マニフォールド システム
このソリューションはかなり一般的なもので、セントラル マニフォールドから最大32個のサンプルチューブが放射状に広がっています。各チューブはマニフォールドから最大38m伸び、単一パーティクル カウンタに試料を取り入れることができます。監視される各測定点から取得したデータを中央のモニタリング ソフトウェアパッケージに送ります。ソフトウェアは認証済みパッケージで、データを多彩な形でユーザーに報告します。例えば、リアルタイムの現在値、履歴データ、ライブ プロットを表示するスプレッドシートなどを表示します。現場オペレータに問題を報告する機能として、ローカル アラーム装置、ページング、メールによる異常警告とアラーム通知を導入しています。
マニフォールド システムの長所
> 測定点毎のコスト削減。このシステムにはパーティクル カウンタ、エアゾール マニフォールド、各監視位置へのフレキシブルな長さのチューブが必要です。
> メンテナンスおよび較正コストの削減;マニフォールド当たりパーティクル カウンタ1台のみで較正および運用。
マニフォールドシステムの短所
> サンプル測定が一回に一箇所だけ。一時的事象を見逃す恐れがあります。これを排除するには、測定の順序付けを偏らせ、最重要区域を頻繁に監視します。
> 沈殿や固着により、チューブ内で5μm以上の微粒子が失われることもあります。しかし、システムが正しく設計されていれば、チューブ内の乱流を維持し、無駄なバルブが不要になり、急なカーブも最小限に抑えます。
自立型微粒子センサ
連続微粒子モニタリングを持続するため、専用の局所据付式微粒子センサが利用されています。センサの小さな筺体には、光学システム、光源(レーザーダイオード)、信号発信エレクトロニクスが内蔵されています。また、データをセントラル モニタリング コンピュータに送信するため、外部の真空ソースと信号通信ケーブルを必要とする場合が多くなります。
自立型微粒子センサの長所
> 自動化により人件費が削減
> 連続モニタリングとデータ報告により、短命微粒子の破裂を検出
> シンプルで設置コスト削減
> 別の場所への再配置が簡単、回転しやすく操作
> 最高の信頼度
自立型微粒子センサの短所
> 必要機器の多さ
> 高い初期設備コスト
> 高いメンテナンス費
微粒子モニターシステム コンビネーション
上記のタイプ(マニフォールドまたは自立型センサ)に代わるコンビネーションで、両システムの長所を生かせます。このソリューションでは、マニフォールド システムを使用するとサンプル測定の過半数が監視されますが、特定の重要区域は、自立型センサによって連続的に測定されます。
特別な配慮事項
工程管理の一部としてモニタリングを必要とするが特別な配慮がされている様々なアプリケーションがあります。この2つを次でご紹介します。
滅菌トンネル
これは通常、無菌環境の入り口に分類されます。つまり、ISOクラス5です。クラス分類された環境として、定期的に監視する必要があります。
微粒子システムの監視の1つは、微生物粒子の存在を測定することです。この場合、環境は高温により無菌です。従って、微生物の存在が考えられるのは、生育できる点まで温度が下がるクーリング ゾーンの範囲内です。ホット ゾーンで測定する必要があれば、パーティクル カウンタが許容する温度まで試料を冷やさなければなりません。これは通常、摂氏35度より低いレベルです。試料はクーリング プローブのみを使用して冷却します。
凍結乾燥
凍結乾燥製法を使用して製品を製造する場合、工程として、標準の無菌充填製法、容器殺菌、オープンまたはアイソレーター充填ラインの充填方式、それに続く完成品のセミ ストッパリングが必要です。凍結乾燥器を使用する環境では、フリーズ ドライの前段階で最終ストッパーが閉まっていないため無菌区域にする必要があります。制御を厳重にし、汚染を防止しなければなりません。容器のトップにキャップをかぶせ、最終的に凍結乾燥機に設置します。その結果、実際に密封されるまで、容器の中身は汚染する恐れがあります。
重要区域では連続的なモニタリングが必要で、また製品あるいは開放容器が環境に触れる場合はいつでも、製品の近接範囲内でモニタリンを連続的に行います。従って、モニタリング位置を環境に触れている製品、またはセミストッパーの容器のできるだけ近くに設定します。充填ラインの終端とセミ ストッパリングおよび凍結乾燥機投入口の距離が離れている場合、ISO クラス5環境の中に製品を置き、この範囲を周期的に監視します。
まとめ
cGMP要件に適合するには、微粒子モニタリングが必要です。クリーンルームのクラス分類を明らかにするため検証を受け、監視を続けて製品が汚染されないことを立証する必要があります。施設の使用により、クリーンルームのクラス分類でモニタリング レベルは異なります。様々な方法を使用すると、クリーンルームの微粒子数値モニタリングは実現できますが、最良の方法はクリーンルームの機能およびクラス分類に左右されます。
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