技術概説:2008年版ヨーロッパGMP Annex1
Technical Review: Particle Counting to Meet European GMP Annex 1, 2008 edition (709.0 KB)
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概要
無菌製造に対するGMPガイダンスは、多様化するクリーンルーム規格をISO 14644-1に統一するため、2003年に改定されました。ISO 14644-1の概要は以下の通りです:
「適正製造基準(GMP)のECガイド Annex 1は、無菌医薬品に対するGMPガイダンスとその原理の応用に関する補助的な手引きです。ガイダンスには、クリーンルーム環境の清浄度に関する推奨基準も含まれています。当ガイダンスは国際規格EN/ISO 14644-1と照らし合わせ、和合するように改正されていますが、無菌医薬品製造における特有の問題も考慮しています」
要約すると、クリーンルームの認証方法は、ISO14644-1ガイダンスの規定と形式に準拠しなくてはなりませんでしたが、この新しいAnnexには、無菌医薬品に対応する、改定されたISO規格が盛り込まれています。これをサポートするために、クリーンルームの認証表は、ISO 14644-1へ大まかに解釈された表として記されています。分かりやすくするために、一連のメモが表に添付されていますが、残念なことに、最初の『メモa』は一種の混乱を招くことになってしまいました。
この混乱は、2008年版EU GMP Annex 1で修正されており、実行すべき3つの事項について明確に記しています:
認証:各クリーンルームとクリーンエア装置は最初に分類されなければならない
モニタリング:認証後、クリーンルームの状態が製品品質に基づいて管理されていることを証明するため、クリーンルームは監視されていなければならない
データ検証:モニタリングにより得られるデータを最終製品の品質に照らし合わせて検証すること
認証
表1:表を参照するにはPDFファイルをダウンロードしてください
必要な認証を得るには、ISO 14644-1を理解し、その規格に基づいたクリーンルームの認証方法、試料採取箇所、試料採取場所、各試料採取場所における試料採取量、順守すべきクリーンルームデータの統計分析をどのように判断するか、ということを理解することが重要です。しかし、ISO 14644-1に定義されている分類表を用いるより、改訂版に記載されている上記の表を用いるべきです。
グレードAに対する試料量は試料採取場所毎に1m3であり、試料輸送管内では5.0 µm粒子の降下量が多いため、最短の試料管を使用しなければならないなど、その他の期待値もGMPに定義されています。理想的としては、試料管を使うべきではないのです。クリーンルームの再認証も、ISO 14644-2に従って実施しなければなりません。ISOグレード6以上は1年に1回、ISOグレード5以上の清浄度では6ヶ月に1度です。モニタリングシステムが導入されている場合は、ISOグレード5域の認証期間の延長が許容されます。適切な認証時は、製品の充填時ですが、充填工程を擬似的に実施して行うことも可能です。
モニタリング
クリーンルームまたはクリーンエア装置の認証後は、リスクに関して、無菌製造環境を管理できること、また、管理されていることを証明するため、クリーンルームは監視されていなければなりません。Particle Measuring Systemsでは、リスクに基づいた監視作業に適切なシステムの種類と、そのようなシステムの導入方法について、数々の資料を発行しています。
グレードA域とは、最終製品に対するリスクが最も高い環境であり、設定作業を含め、全工程を監視する必要があります。汚染の侵入や短時間の汚染事象、全体的な環境の悪化など、いかなる事象も監視、感知できるように監視周期を設定し、限界値を超えた場合にはアラームが鳴るようにしておかなければなりません。すべての事象を監視・感知しなければならないという理由から、同箇所の連続的な試料採取を実行できないマニホールドを使うことはできません。その製造環境に適切なマニホールドである、と証明された場合は、マニホールドの使用が許容されます。
グレードB域にもグレードAと同じ規定が設けられていますが、試料採取周期を長くすることができます。グレードAは層流で管理されるため、突発故障発生時を除き、短時間に発生する汚染事象をすぐに確認することが可能です。しかし、グレードBの場合は、作業員が室内にいる一般的な環境のため、空気が動いています。この環境では、常に低レベルの微粒子活動があり、このエリアの全体的な環境が許容範囲を超えた場合にアラームが鳴るようになっています。従って、汚染状況が瞬間的に急上昇しても製品品質に大きな影響を与える可能性は低いのです。バックルームなど、充填工程や他のグレードA域に近接していない場所などが当てはまります。
GMP2003では、グレードAとグレードBでのモニタリングに必要な試料量に関する表現が不明瞭でした。1m3という試料量は、リスクを基にしたモニタリング値ではなく、ISO14644-1での計算に必要とされていた値なのです。改訂版では次の通り、明確に記されています:
「自動システムによりモニタリング目的のために採取される試料量は通常、使用しているシステムの試料流量です。試料量は、クリーンルームとクリーンエア装置の正式分類に用いられる試料量と必ずしも同量である必要はありません。」
従って、28.3 L/minのパーティクルカウンタでは、設定作業から最終的な充填工程まで、またその少し後まで、分単位の試料を継続的に採取し、微粒子数/m3でデータを正規化し、適切なアラームとアラームリミットを正規化数に対して設定することが理想的です。モニタリングの鍵は、環境に異変が起きた場合に瞬時に対応できる体制を整えておくことです。
データ検証
クリーンルーム内の非生物粒子と生物汚染物質は関係があります(USP1116)。クリーンルーム内を自由に浮遊する生物微粒子の粒径を表す研究も行われています。これら2つの独自の研究を総合して見てみると、クリーンルーム内の大きな粒子を制御できれば、クリーンルーム内の生物粒子によるリスクも制御できるということは明らかですが、<1粒子、<1CFUと、統計値が小さいので表すことが難しいのです。しかし、クリーンルーム内で環境データを検証する時には、5.0 μmの微粒子は極めて重要です。
不定期に大量の微粒子が測定される場合は、パーティクルカウンタ機器との干渉による可能性があります。Lasair® IIIパーティクルカウンタは、クリーンルーム内のランダム粒子による影響はもちろん、これらの影響を軽減する特許された構成部品を備えています。偶発的に発生する汚染事象は小さな数値や統計的概観では表せません。また、クリーンルームパフォーマンスの長期的な分析を行う時の大きな視野でしか確認することができないほど、一般的な製造作業にはごくわずかな影響しか与えません。重要なのは、低レベルの微粒子を継続的または定期的に測定することで、汚染問題を察知できるかもしれない、ということであり、必ず調査を行うということです。
表2:表を参照するにはPDFファイルをダウンロードしてください
上記の表では、3つの状態を表しています:
継続的: 5.0 μm粒子が継続的にクリーンルームで検出される場合は調査を開始します。大きな粒子はフィルタを通過する可能性が低いので、汚染源を確保できます。
定期的: 偶発的ではなく、定期的に大きな粒子が発生する場合は、これらの粒子を発生させている汚染源を特定し、可能な場所であれば、改善します。これらの粒子は、混入物として定義する粒子レベルを決定するための最終製品検査に影響を及ぼします。
不定期: 微粒子の発生が認められない、あるいは少ない場合、『時間/微粒子数』を定義します。例:12分間に3個以上の微粒子が確認できない場合など。これもまた、最終製品検査に影響を及ぼすので、日頃のモニタリングに使用されているデータの正当性を確認する必要があります。
警告とアラームの設定値も現行のGMPに定義されています:
「適切な警告リミットとアラームリミットは、微粒子と微生物の監視結果を基に設定されなければなりません。通常の作業中にこれらの数値を超えてしまう場合は補正しなければなりません。」
適切な警告値を定義することは、環境を制御できているという証明であり、製品品質と比較しながら管理しなければなりません。認証データのみに基づく値を用いるのは常に適切であるとは限りません。各施設の生産環境、充填ラインなどに合わせた値を用いる方が良いでしょう。
凍結乾燥製品
無菌充填され、フリーズドライ/凍結乾燥工程を待つ製品は、ストッパー挿入地点から乾燥凍結機までグレードA環境で管理されなければなりません。移動カートで運搬する場合は、このカートがグレードA環境であることが証明されていなければなりません。ストッパーが完全に挿入されていない場合、水薬瓶は開封されていると判断され、開封されているすべての無菌水薬瓶は制御された環境で管理されなければなりません。
乾燥凍結が完了し、水薬瓶にストッパーが押し込まれたら、あるいは、機械的な圧力で密封され、認証された手順でストッパーが完全に定着したことが確認できたら、水薬瓶は、キャップが取り付けられ、圧接されるまでグレードAのエアが供給されている環境で管理されなければなりません。認証の表を思い出していただければ、グレードA環境は、実質的にはISO 14644-1のグレード5環境であることがお分かりになると思います。従って、微粒子の観点から言うと、圧接工程で供給されるエアの質はISO5レベル、と説明したほうが良いでしょう。圧接加工が無菌工程として実施される場合は、グレードA環境で行わなければなりません。
新しいGMPに関する詳細や、その他の製薬モニタリングに関するご質問は、製薬専門家マーク・ホールワース(Mark Hallworth)電話303.443.7100またはEメール:mhallworth@pmeasuring.comまでお問い合わせください。
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