作業環境モニタリングシステムの導入計画 (489.4 KB)

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はじめに

新しく設けられた規制により、製薬の無菌生産業界に変化が生じました。今まではポータブル機器を利用した一時的なクリーンルームの監視に過ぎませんでしたが、新しい規制により、モニタリングの自動化、遠隔モニタリングが必要となったのです。本資料では、非生物微粒子モニタリングシステムの自動監視における様々な手順を検証しています。これらの手順は、非生物微粒子モニタリングシステムを、生物微粒子監視や他の環境設定を含めたシステムへと拡張する際にも適用することが可能です。

システムの実装には、従わなければならないいくつもの手順があり、これらのシステムが、自動化製造実践規範GAMP 3ガイダンスがあります。一般的には、設計、構築、設置、テスト、バリデーションという形で行われます。各手順はそれぞれのスケジュールに従って行います。

スケジュールを立てる

実装を成功させるには、すべての手順をスケジュールに従って確実に実行することが大切です。主な手順は、シャットダウンのような障害など、考慮しなければならない点も踏まえたガントチャートに記されています。図1は、一般的な実装作業の全スケジュールを表したガントチャートです。

図1 ガントチャートで表したスケジュール

作業者等のスケジュールを考慮して各作業を細分化することも可能です。複数の作業が重複した場合は注意が必要です。設置中に異なる操作が同じスペースで競合してしまったり、短期間でバリデーションを行っている場合などによく起こりますので注意しなければなりません。

システムの設計

微粒子モニタリングシステムを最も効果的に設計する方法を記す、いくつもの資料があります。試料採取ポイントの選定、各アプリケーションに使用するハードウェアの選定、リスクと機器の関係等について記述されています。図2は、クリーンルームの状態を監視する一般的なシステム設計です。

図2 施設モニタリングシステム概要

クリーンルーム監視設備の設計では、ユーザ要求仕様書(User Requirement Specification /URS)に運転要因について定義されていなければなりません。記載内容と形式についてはGAMPガイダンスですべて説明されています。操作を簡素化できる点があれば、どのような変更でも、可能な限り実装作業の初期段階に行います。実装作業が後期に入ってから変更を行うと高い費用がかかります。システムの実装を短期間で行う必要がある場合、ユーザー要求仕様書を『正確』なものにするために必要な十分な時間が確保できないため、システム設計を手がける企業に委託して準備を進めることも可能です。エンドユーザーあるいはシステムの所有者は、使用するシステムに関する責任を自覚しながらURSを検証することが大切です。

システムの設置

モニタリングシステムの設置には次のような多くの構成部品があります:

  • 配線:電源ケーブル(24VDC、120-240VAC、3相)、信号線4-20mAアナログ、イーサーネットとRS485データ通信、吸引ポンプのオン/オフや段階的に切り替えを行うハードウェア機能スイッチの集合体などを含むプロセス管理用入出力スイッチなど。ケーブルは、過負荷量、難燃性、長さ、伝送速度により決まります。ケーブルは通常、既存の設備へ統合できる場所ではケーブルトレイもしくは場所に適したコンジット内に配置し、設置作業の余分な作業を省きます。
  • 配管:主要管としては2種類の管があります:1つは試料をセンサーへと送る管(試料採取管)で、もう一方は、センサーの操作を可能にする管(吸引管)です。粒経の大きな微粒子の管内消失を避けるため、パーティクルカウンタに使用する管は2メートル以内でなければなりません。曲部は、可能な限り大きな半径を描くようにゆるやかに保ち、伝送中の微粒子の管内消失を軽減しなければなりません。

センサーに吸引ポンプが備わっておらず、外部ポンプが必要な場合、ポンプは技術スペース(操作室)内のセンサーから離れた場所に設置しなければなりません。管はマニホールドヘッダー(分岐本管)を経由してセンサーへと接続します。マニホールドは施設に合うように設計します。システム全体の圧力低下を防ぐため、ループ状のマニホールドを設置することが理想的です。吸引システムの距離の限界と設置条件は、試料採取管により異なります。次に空気流動を測定します。図3は、ループ状のマニホールドデザインと各個別センサーへ降下接続する独立管を示しています。

図3 吸引マニホールド概要

  • センサー:測定センサーの設置は、ファイル保存機器内、センサーへ接続されている試料採取管付ファイル保存機器上、作業室の隣室の壁の中や壁上、排気口/吸気口上のどれかに設置されます。通信線、配線、配管はローカルコンジット経由でセンサーへと接続されるか、通信線は機器を通してセンサーへ供給され、これらの通信線は、吸引システムとデータキャビネットがある中央へと戻ります。
  • データキャビネットと吸引ポンプ:システムの中央部は、データキャビネットと吸引ポンプの管理部となっています。定期的にメンテナンスが必要となりますので、一般的には技術スペースに設置されます。キャビネットと吸引ポンプのサイズとタイプは、システムのサイズ、センサーの数、電圧等により決まります。図4は、技術スペースに設置されたデータキャビネットの2つの例です。

図4 データキャビネット

  • コンピュータとネットワーク:すべてのセンサーは、中央モニタリングシステムへ情報を伝達します。制御管理と情報伝達はここで行われています。このシステムの設置場所は柔軟に選定できます:すべてのセンサーはイーサーネットワーク上にありますので、中央コンピュータへ唯一必要な接続は1つなのです。離れた場所での画面表示や情報伝達が必要な場合は、旧式タイプのネットワークを構築することも可能です。システムルーター、ゲートウェイ、その他ブリッジ等経由で作業現場のネットワークに接続することも可能です。中央コンピュータには、オフィスにある適当な机を使用でき、遠隔端末は適切なコンピュータ端末もしくはHMIを利用してクリーンルームの外部に設置することができます。

システムのバリデーション

設置されたシステムのバリエーションは、ユーザー要求仕様書(URS)と設計書類に続き、自動化製造実践規範(Good Automated Manufacturing Practices Guide/GAMP)に従います。ユーザー要求仕様書に記された重要構成部品は、システムの安定性とデータ記録能力を証明するために適切なテストを行います。要求を完成したシステムに発信することにより両方を追跡可能な形でリンクさせることができ、システムのリスク検証に利用できます。すべてのシステムの構成部品が規格、設計書類(IQ)に準拠して設置され、例えば、設定された閾値を超えた場合にアラームが作動するなど、想定通りにシステムが作動すること(OQ)が本テストにより証明されるのです。

設備のサイズと複雑さによりますが、一般的に、バリデーションには2、3週間かかります。一度バリデーションテストを完了すれば、エンドユーザーへ引き渡し、統合作業を開始することが可能です。生産現場での制御証明を通してバッチ処理を行う(PQ)など、これはシステムがその用途目的通りに作動することを証明するための追加バリデーションです。

システムの実装

この最終段階では、今までご利用になっていたポータブル(一時的なモニタリング用)機器よりも、はるかに膨大な量のデータが排出されるため、新システムを利用する多くのユーザーに最も大きな影響を与えます。今後のデータは1ページに収まるような量ではありません。1台のパーティクルカウンタは1日あたり5-10ページ分のデータを排出するので、5台のセンサーシステムを導入された場合は、50-100ページ分のデータ量となります。このデータ量に、どのように対応したら良いのでしょうか?

システム使用トレーニングでは、必要なスキルをユーザーに提供しております。トレーニングは2つのパートに分かれており、パート1では、システムの使用方法、アラームリミットの変更、新しいレポートの作成、ユーザーアカウントの作成と停止、設定値の変更(コースの許容プロセスの変更)、パート2は、システムが数ヶ月間使用された後に行われます。データの読み方から関連情報の送達、施設環境制御管理の実行までを習得するこのパート2は、実装を成功させる重要ポイントであり、現行規格に準拠するために必要です。

まとめ

しっかりとした計画、GAMPガイダンスの準拠、システムから排出されるデータの正しい解析方法を習得するための適切なトレーニング、これらは効果的なモニタリングプログラムには必要不可欠です。実装を成功させるには、計画、実装、テスト、結果(データ)の解析トレーニングが必要なのです。Particle Measuring Systems社では、これらのステップをすべて提供するサービスを行っております。

著者

製薬ビジネス・マネージャー マーク・ホールワース(Mark Hallworth)

プロジェクト・サービス・マネージャー エドワード・アプレン(Edward Applen)

  1. 製造実践規範 ECガイド 付録1 2003年9月改訂版 欧州委員会 企業・産業総局
  2. 製造実践規範 ECガイド 付録1 2003年9月改訂版 欧州委員会 企業・産業総局
  3. 自動化システムのバリデーションGAMPガイド 2001年12月ISPE発行
  4. 最適な生物微粒子試料採取ポイント選び 技術資料79  2007年Particle Measuring Systems社 マーク・ホールワース
  5. 製薬クリーンルームにおける微粒子モニタリング規準 技術資料41 2005年Particle Measuring Systems社 マーク・ホールワース 
  6. 管内消失微粒子の許容量 技術資料81 2007年Particle Measuring Systems社 マーク・ホールワース

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