クリーンルームの微粒子をワイヤレスでモニタリング (1.0 MB)

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はじめに

ワイヤレス技術は多くの革新的な変化をもたらし、新しいコミュニケーションの形を提供してくれます。常に古くからの規格や基準と向き合わなければならない製薬業界では新しい技術に対して消極的な面があります。この記事では、バリデーションと較正の条件を満たしつつ、ワイヤレス技術が製薬クリーンルームの微粒子モニタリングをどのように向上させることができるかということを紹介しています。

従来の微粒子監視システム

従来の微粒子監視システム(施設監視システム)は通常、以下の構成となっています:

微粒子センサー
環境センサー(温度、湿度、気圧差異センサー)
吸気ポンプ
コンピュータ
データ収集ソフトウェア

ネットワークスイッチ、環境センサーとアラームランプの作動装置からの4-20 mA 信号を収集するPLCタイプの装置、微粒子センサーと環境センサー等に供給する電源などを備えた通信キャビネット

微粒子監視システムの導入には、イーサーネット通信ケーブル、24V電源、吸気管など、大量のケーブルが必要となります。ケーブルや管の接続は複雑かつ時間のかかる作業であり、費用もかかります。作業カートなど、移動式の物を監視する場合は不可能です。

従来の『配線型』では、微粒子センサーとデータ収集ソフトウェア間で通信障害が生じた場合、一般的な微粒子センサーには収集データを保存できる内臓メモリーが搭載されていないので、通信障害が発生した時点で生産していた高価な製品が無駄になってしまうのです。

微粒子データを収集するセンサーへ正確かつ継続的な気流を送る吸気ポンプも重要不可欠です。通常は、前もって設定された間隔でポンプを切り替えるようにプログラムされたコントロールパネル付ポンプが最大3つ必要とされます。

ワイヤレス微粒子監視システム

最近、製薬業界では機器の導入作業を簡素化するとともに微粒子監視システムの精度を向上させてくれる新しい技術を前向きに検討しています。

スカンジナビアの製薬会社は最近ワイヤレス微粒子監視システムを導入しました。ワイヤレスシステムの中核は、1立方フィート/分という理想的な気流に調整、監視するための組み込み式ポンプと電子機器を搭載した微粒子センサーの周りに組み立てられています。さらに、通信が切断された場合にデータを保存できる内臓メモリーも搭載されています。保存されたデータは、通信が再接続された時点で自動的にデータ収集ソフトウェアへ転送されます。非常に優れたシステムです。

図1:組み込み式ポンプとワイヤレス通信機能が搭載された微粒子センサー(画像をご覧になるにはPDFをダウンロードしてください)

ワイヤレス微粒子センサー通信の概要

図2:ワイヤレス微粒子センサー通信の概要(画像をご覧になるにはPDFをダウンロードしてください)

ワイヤレス微粒子監視システムのバリデーション

ワイヤレスシステムを検討する時にはデータの正確性も検証しなければなりません。以下の事項を考慮する必要があります:

施設がワイヤレス通信に適切であることをどのように証明することができるか? ワイヤレスネットワークにはどのようなセキュリティが必要か? 収集したデータが正確であることをどのように証明することができるか?

1.施設の検証

ワイヤレス通信を導入する前にシステムのシミュレーションを行い、施設内の電波状況がワイヤレス通信に適しているかどうかを検証する必要があります。微粒子センサーを作業カートに置き、クリーンルームへ移動させます。微粒子データの収集に使用するソフトウェアをノート型パソコンにインストールします。リアルタイムでデータを受信するために、ソフトウェアでセンサーを設定します。モニタリングを行う場所へ作業カートを移動します。その場所から可能な限り離れた場所(同室内)にノート型パソコンを置き、データを正確に受信していることと通信障害が起きないことをテストします。

メモ:製品の生産を行っていない場所で行うほうが簡単ですが、実際に使用する現場の状況設定で行うことが重要です。可能な限り実際の生産環境に類似した環境を整えた上で電波が他の機器や作業員により遮断されないことを検証しなければなりません。

図3:ワイヤレス通信による微粒子データの転送(画像をご覧になるにはPDFをダウンロードしてください)

ほとんどのワイヤレスネットワークでは電波の強さも検証できます。電波の推奨レベルは85〜100%です。電波が弱すぎる場合は、第2アクセスポイントを設置するか、延長コードを使用して強力なアンテナで電波の弱いセンサーに照準を合わせることもできます。

図4:電波強度テスト(つながりの良さを検証する)。(画像をご覧になるにはPDFをダウンロードしてください)

2.データのセキュリティ

ワイヤレスデータ通信を行う場合は常にネットワークのセキュリティを考慮しなければなりません。適切なセキュリティで保護しなければ、電波は壁を抜け、第三者が受信してしまう可能性もあります。

セキュリティシステムには様々なものがあります。最も基本的な方法は、ユーザーIDとパスワードでワイヤレスネットワークを第三者から保護する方法です。さらにセキュリティが強化されたシステムでは、登録されたコンピュータまたはセンサーのみがワイヤレスネットワークを使用できるように設定することができます。これは『MACアドレスフィルター』と呼ばれるものです。各微粒子センサーが持つ独自のアドレスをアクセスポイントのセキュリティ承認リストに登録することができます。

表1:ワイヤレスアクセスポイントの設定例(画像をご覧になるにはPDFをダウンロードしてください)

3.データの検証

どのようなシステムも、正確なデータがシステムを通して転送されていなければ価値がありません。この正当性をテストする最良の方法は、プリンタ内臓ポータブル型パーティクルカウンタを内臓されているイーサーネット通信機能経由でワイヤレスネットワークに接続することです。パーティクルカウンタで印刷したデータとワイヤレスネットワーク経由で収集したデータを比較することができます。

図5:データ収集ソフトウェアに登録された微粒子センサーからの流量エラーアラーム(画像をご覧になるにはPDFをダウンロードしてください)

最も考慮しなければならないことは、センサーとソフトウェア間の通信障害が生じた場合にどうなるかということです。センサーには、通信が切断された場合にすべてのデータを保存する内臓メモリーを搭載しており、通信が再接続した時に保存したデータを転送します。アクセスポイントとデータ収集ソフトウェア間のイーサーネットケーブルを取り外して通信障害をシミュレーションすることができます。通信障害は画面上では色が変化して表示され、データは記録されません。各センサーの最終登録サンプルを書き出し、ケーブルを再接続して、すべてのセンサーが紛失した履歴データを受信したかどうかを検証します。この履歴データを印刷し、テスト結果の生データとして添付することができます。

センサーの接続口を塞ぎ、強制的に流量エラー信号をソフトウェアへ送ることにより電波テストを行うこともできます。

図6:データ収集ソフトウェアに登録された通信障害(画像をご覧になるにはPDFをダウンロードしてください)

結論

ワイヤレス技術には主に2つの利点があります。重要データが紛失しないこと、導入が簡単であることです。新しいセキュリティ機能が確実にデータを保護し、検証してくれるのです。

Particle Measuring Systems販売代理店Malvern Instruments Nordic トーマス・ルーフ(Thomas Loof)

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