「微粒子測定の基礎知識」 (441.3 KB)

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微粒子

発生源

微粒子は様々なものから発生します。不活性(非生物)微粒子は通常、物が擦れ合うことにより発生します。のこぎりで木を切るときに塵や埃が発生するのと同じです。人間の体は常に皮膚の再生を行っており、不要となった角質など、多くの不活性粒子を発生しています。電気モーターは整流子がワイヤーブラシで擦られる時に微粒子を発生させます。プラスチックは紫外線により、ゆっくりと分解し、弱い風に微粒子を放出します。生物粒子は、バクテリア、ウイルス、菌類などの微生物を指します。人間は大量の生物粒子を発散させているのです。

微粒子は、有機粒子(生物から発生するもので、必ずしも自生しているものとは限りません)または無機粒子(生命を持たないものから発生するもの)に分類されます。角質は不活性有機粒子、原生動物(原虫)は生物有機粒子、銅粉は不活性無機粒子です。

粒径

最小の微粒子は非常に小さく、現代の製造方式では汚染として考慮されませんので本書では詳しく触れません。最小の微粒子とは、原子の何倍も小さい素粒子と呼ばれるものです。レプトン、ミューオン、クォーク、ニュートリノ、そして増加し続ける微細微粒子が素粒子というグループをつくりあげています。これらの微粒子を扱う科学は『粒子物理学』または『高エネルギー物理学』と呼ばれています。

次に大きな微粒子グループは原子です。次は分子、または原子集団です。これらもまた小さすぎるので、工業汚染(ミクロ汚染)とは考慮されません。当社が注目する粒径は、1ミクロン(単位記号:μm、1/1000ミリメートル)よりかなり小さい粒径から100ミクロン(1/10ミリメートル)の範囲です。これより大きな微粒子は肉眼でも確認できます。前述の通り、これより小さな微粒子(約0.01μm)は現代の製造プロセスにあまり(あるいはまったく)影響を及ぼしません。

微粒子を測定するには様々な方法があります。下の図では、微粒子を表す標準的な寸法表記を示しています。点線内に記された球体は、パーティクルカウンタの較正やフィルターのテストに用いる人工のPSL(ポリスチレンラテックス)微粒子です。

各寸法の科学的名称は上記の通りです。それぞれが異なるタイプの測定方法で役立ちます。特に顕微鏡での測定には便利です。

粒径が変化する微粒子もあります。例えば、ゾウリムシのような生物有機粒子です。ゾウリムシは多くの動物と同様に、ほとんどが水で形成されている微生物です。ゾウリムシが乾燥すると、水分を含んでいた時(水を完全に含んだ状態)に比べてかなり小さくなります。粒径に関する詳細は、次頁の表をご覧下さい。

なぜ産業メーカーが微粒子の大きさに興味を持つのでしょうか?クリーンプロセスによっては、ある大きさの微粒子が処理に悪影響を与える可能性があるからです。フィルターを購入する場合は、どの程度の微細孔を持つフィルターが必要なのかを知っておく必要があります。

構成要素

微粒子はどのような物質からでも作り出され、有機物からでも無機物からでも発生します。金属、プラスチック、繊維、動物、海塩、煙、ガス、塵や埃などが粒子源として挙げられます。事実上、環境が整っていれば、どのようなものでも微粒子を発生させることができます。クリーンルームにおける最大の粒子源は通常、クリーンルーム内で働く作業員であり、角質や吐息、くしゃみなどにより微粒子を発生させています。

参考までに、標準的な髪の毛の直径は約50〜150 μmです。

動き:微粒子はどのように動くのか?

微粒子にはある特定の傾向があり、空気中を拡散力と衝撃力により移動し、重力と静電付着の影響を受けて物質の表面に付着します。液中では、気泡に付着したり、管や容器の壁に付着したり、より大きく集塊したりすることがあります。

動き

拡散

例えば、赤い染料をバケツに入った清浄な水に投げ入れると、バケツの水は最終的に均一な赤色になります。染料が水に行き渡る(分散する)動きを拡散と言い、気体や液体が静止しているような状態でもこの拡散は起こります。流動体(液体または気体)に放たれた微粒子は、流れ、熱的変動、ブラウン運動など、様々な『力』により移動します。

流れ
流れとは、液体の層流(静かな流れ)と乱流(激しい流れ)を指します。常に高圧域から低圧域へと移動する流動体が起こす圧力差によりこの流れが生じます。層流に浮遊する微粒子は、その場所にとどまる傾向があります。気中では、横方向の動き(左右の動き)を移流と呼び、縦方向の動き(上下の動き)を対流と呼びます。

熱的変動(熱泳動)
流動体の温度変化は流れ、特に対流(上下の流れ)に影響します。流動体を温めるとブラウン運動が盛んになります。分子を活性化させると分子衝突の回数が増え、分子同士がより離れて行きます。温かい空気の密度は冷たい空気よりも低くなり、結果、温かい空気が上昇することになります。

ブラウン運動
空気は微粒子で満たされており、目に見える埃から目に見えない気体分子まで、様々な微粒子が衝突し、お互いに跳ね返る(他の微粒子との結合)ことを繰り返しています。液体にも同様のことが言えます。時間の経過に伴い、ブラウン運動は微粒子のランダム分布を増やしたり減らしたりすることになります。他の微粒子に衝突するまでに1個の微粒子が飛行できる直線上の距離は、その平均自由行路です。

衝撃力
微粒子は機器や作業から発生し、空気の流れに反して微粒子を移動させます。これが、微粒子が本当の意味でのランダム分布にほとんど見られない理由の1つです。

付着

自由に飛行する(拡散する)微粒子がその動きを止める理由は様々です。静電付着、集塊、融合、摩擦が微粒子の動きを止める(付着させる)最も大きな要因です。

静電付着
風船を髪の毛に擦り付けた時と同じで、微粒子も静電気をまとう場合があり、微粒子は反対の電荷を持つ物質の表面に引き寄せられて付着します。

集塊
液中では、微粒子は気泡の周りに集塊(結合)する傾向があります。

融合
静電付着または他の『付着力』により、微粒子同士はお互いに付着することがあります。一定の条件下では、2つの微粒子が付着して二重構造を形成することもよくあります。

摩擦
微粒子は粗面に引っかかる場合があります。微粒子の運動力(移動する力)が十分でない場合、この粗面を除けることはできません。静電付着と同様、ほとんどのフィルター装置がこのメカニズムを基にしています。

動きと付着サイクル
拡散と付着は連続サイクルの中で共存していますので、微粒子は巡回したり、動きを止められたり、放たれたりします。一定量の液中に浮遊する微粒子の数や粒径が常に変化するのはこのせいです。これは重要なことであり、後述する微粒子検出器でも触れています。

セクションU:環境

現代のハイテク産業は清浄性を求めています。具体的には、微粒子汚染が発生しないことを求めているのです。

もっと具体的な例として、一般的に『マイクロチップ』と言われる半導体を例に挙げましょう。マイクロチップは、非常に小さな配線(平らなワイヤー)がエッチングされた平らなシリコン片で、トランジスタや他の装置を形成しています。このマイクロチップのおかげで、メーカーは非常に小さい電子回路を作り出せるのです。

配線同士の距離が非常に接近する(0.3 μmの間隔)場合もあり、微粒子が2つの回路にまたがって付着すればショートしてしまいます。このため、メーカーは0.3 μm以上の大きさの微粒子を空気中から排除したいのです。これよりも小さい微粒子はショートを起こす大きさではありません。

マイクロチップは多層デバイスでもあり、各層は非常に薄くできています。製造上、マイクロチップの有効表面部分は、縦×横×層の数に等しく、多層という構造は、浮遊微粒子がマイクロチップそのものを完全に停止させてしまう可能性を秘めていますので、半導体メーカーは、微粒子汚染をなくすために生産環境を管理しなければならないのです。

もう一つの例として、製薬産業を見てみましょう:非経口(注射剤)薬は、血管を封鎖してしまう微粒子を完全に除去していなければなりません。血管の封鎖は脳卒中や脳梗塞(脳の一部へ血液が送られなくなる)または壊死(細胞へ血液が送られなくなる)につながります。製薬メーカーは、マイクロチップメーカーと同様に、微粒子汚染を排除するために生産環境を管理しなければならないのです。

微粒子汚染の制御

微粒子を制御するための3つの方法:

(1) 製造環境に既存する微粒子を排除する
(2) 作業環境に新しい微粒子が運び込まれないようにする
(3) 製造過程における新しい微粒子の発生を防ぐ

ろ過

微粒子はろ過することにより除去できます。ろ過では、微粒子を含む媒体をフィルターに通します。フィルターの穴は、媒体分子が通過できる大きさですが、微粒子が通過するには小さすぎる穴となっています。フィルターは、耐用期間中は微粒子を吸着しますが、一般的に、吸着できなくなる前(微粒子でいっぱいになる前)に交換します。フィルターには、浄化(クリーニング)して再利用できるものもあります。

ろ過には2つのステップがあります。微粒子をフィルターに集めることと、フィルターで微粒子を捕獲することですが、微粒子をフィルターに集めることの方が難しいステップです。セクションTで説明した『微粒子の移動に関係する要素』を標準的な製造工場に当てはめて考えてください。このような施設では、数え切れないほどの粒子トラップ、(合計して考えると)非常に大きな表面積、様々な汚染源が存在します。微粒子の制御管理における最適な方法とは、可能な限り多くの場所で層流を確保し、可能な限り多くの微粒子をフィルターに通すことです。しかし、常に層流を維持することはできません。

フィルターは進化を遂げ、合成繊維、多孔性プラスチックまたはセラミックスで作られるようになりました。現在使用されている標準的な、2つのエアフィルター:

HEPAフィルター(高性能気中微粒子捕獲フィルター)は、超清浄または超高純度な製造環境用です。HEPAフィルターは標準的に、フィルターの仕様に基づいた粒径(通常は0.3 μm)以上の微粒子を99.99%除去します。HEPAろ過はHVAC(暖房/換気/空調設備)システムの一部分となっていることがあります。

ULPAフィルター(超高性能気中微粒子捕獲フィルター)は、粒径0.12 μm 以上の微粒子を99.9995%除去し、超超清浄な作業環境が必要とされる場所で使用されます。

以前は、フィルターを顕微鏡で検査し、微粒子を数え、測定していましたが、現在では、この作業は高性能な機器により行われています。微粒子測定については本書で後述いたします。

クリーンルーム

現代の『クリーンな』作業環境とは、非常に清浄な環境でなければならず、工場の空気を単純にフィルターするだけでは不十分なのです。微粒子汚染を管理・制御されたレベルに保つため、クリーンルームという個々に独立した環境が開発されました。クリーンルームは、層流を最大限に確保し、粒子トラップを最小限に抑えるように設計されています。最も効果的な施設では、天井にフィルターが設置されており、フィルターを通って戻ってくる空気は床に送られます。この結果、可能な限り清浄な環境が整えられ、移流により運ばれる微粒子の数を最小限に抑えられます。

他のクリーンルームのテクニックとしては、クリーンウェア(防塵白衣)、帽子、オーバーシューズ(靴の上から履く靴)、手袋などがあります。最も清浄な環境では、作業員は宇宙服のようなものを着用しています。人間が最大の微粒子発生源なので、クリーンルーム用の服装をきちんと整えることはミクロ汚染対策の重要なステップなのです。

ミニエンバイロンメント

最近は、小規模のクリーンルームでルーム内に内蔵されたロボットアームまたはクリーンルームに一体化されたゴム手袋を使用するミニエンバイロンメント(局所的なクリーン環境)を使用する傾向が見られます。ミニエンバイロンメントはクリーンルームに比べてはるかに安価なため、使用する企業が増えています。新しい施設を建てずにグレードの低いクリーンルーム内にミニエンバイロメントを導入し、費用を大幅に節約できるケースもあります。

クリーンルームとミニエンバイロンメントの区分

連邦規格209では、クリーンルームとクリーンゾーン(清浄域)の空気清浄度を特定の気中微粒子濃度に基づいて規格化しています。『クラス100』のクリーンルームでは、1立方フィートあたり0.5 μm以上の微粒子が100個以上存在してはならない、と定められており、『クラス10』のクリーンルームは、クラス100のクリーンルームの10倍の清浄度となります。

クリーンルームの規格

1984年、環境科学研究所(Institute of Environmental Science and Technology)は、クリーンルームの評価方式IES-RP-CC-006-84-T『クリーンルームの検査』を打ち出しました。記載されている項目は、以下に対する測定テクニックです:

  • 気流の速度と均一性
    * フィルターの完全性
    * 気流平行性
    * クリーンルームの回復時間
    * 気中微粒子測定
    * 微粒子の降下率
    * クリーンルームの気圧と汚染物質の誘導率
    * 照明とノイズのレベル
    * 温度と相対湿度
    * 振動

米国環境調整事務局(The National Environment Balancing Bureau /NEBB)は、この規格を拡大し、第三者認証プログラムを提供しています。プログラムでは、役立つ情報を提供していますが、NEBBはクリーンルーム認証に必要とされていません。

クリーンルームの評価と認証

クリーンルームの認証は建設後、または大きな物理的変化が発生した後に行われます。認証は、その施設が、規定粒径の気中微粒子の統計的に有効な最大濃度の規定を満たしていることを証明するものです。クリーンルームは3つの異なる段階のうち、どの段階でも認証を受けることができます:

完成時:クリーンルームは『完成時クラスX』として認証されます。これは、クリーンルームが完成し、使用可能な状態となった時に、機器や作業員が室内に存在しない状態で区分が行われたことを意味します。

休止時:クリーンルームは『休止時クラスX』として認証されます。これは、機器が室内に導入済みで稼働している(または、規定に従った稼働可能な状態にある)が、作業員が室内にいない状態で区分が行われたことを意味します。

稼働時:クリーンルームは『稼働時クラスX』として認証されます。これは、室内で機器と作業員が通常作業を行っている通常の稼働状態で区分が行われたことを意味します。

沈着粒子

クリーンルーム認証方式は一般的に、微粒子の表面沈着に対する評価を必要とはしておらず、空気のみを評価の対象としています。しかし、これは重要問題です。なぜなら、沈着した微粒子が製造プロセスに多大な影響を及ぼす可能性があるからです。

粒子沈着を確認するためには、沈着した微粒子を清浄かつ平らで、微粒子が一切付着していないと証明できるウィットネスプレート上に収集しなければなりません。さらに、このプレートは微粒子が沈着した物質と同様の素材で、同様の特性を持つ物質でなければなりません(例えば、ABSプラスチック素材の場合はABSプラスチック製のウィットネスプレートを使用しなければなりません)。いくつものプレートをクリーンルームの各所に一定時間配置した後に回収して微粒子数を測定します。測定には、光学顕微鏡や表面分析型パーティクルカウンタを用いることができます。

セクションV:微粒子の検出

クリーンルームの認証は継続的に行うプロセスです。フィルターシステムが正常に稼働しており、未知の微粒子発生源が存在しないことを確実にするため、常に空気を監視する必要があります。

清浄な製造プロセスが導入されて間もない頃は、空気中から除去された微粒子の数と粒径を測るため、テストフィルターを顕微鏡で確認していました。微粒子が何で形成されているか(例:銅粉)を判断できる測定者もいました。顕微鏡法は今日でも、汚染源について特定の事柄を知る上で有効ですが、汚染後の評価となるので限界があるのです。

1950年代半ば、最初の微粒子測定器が発明されました。これらの装置により、製造プロセス中に微粒子汚染のレベルを監視することが可能になり、汚染レベルが高くなりすぎた時点で瞬時に対応することが可能になりました。そして生産性の向上へとつながったのです。

光学パーティクルカウンタ

ほとんどの人が、太陽光線に塵や埃が浮遊する光景を見たことがあるでしょう。この塵や埃を見るには、4つの不可欠な条件があります:太陽の光(塵や埃を照らすため)、塵や埃(太陽の光を反射させるため)、空気(塵や埃を運ぶため)、人間の目(塵や埃を見るため、明確に表現すると、塵や埃に反射した光を見るため)です。光学パーティクルカウンタ(OPC)はこれと同じ原理を利用していますが、効率を最大限に高めるため、この4つの条件に磨きをかけています。最新のパーティクルカウンタはレーザーを光源として使用しており、測定量(測定領域)を制御し、粒子が散乱させる光を検出する高感度光センサーも装備しています。

動作理論

標準的なレーザー光学パーティクルカウンタはどのように動作するのか

一般的なレーザー光学パーティクルカウンタには5つの主要システムから形成されています:

(1) レーザー光源とレーザー光学:レーザーは単一波長のため(色も単色で、パーティクルカウンタで使用されているものは一般的に赤色、または赤外線となっています)、最適な光源とされています。最初のレーザーは棒状のルビーでしたが、後に、ガスまたは混合ガスが充填されたガラス管になりました。ヘリウム−ネオンレーザー(HeNe)はパーティクルカウンタの典型例です。現在では、より小型で軽量かつ平均故障間隔(MTBF)が長い固体レーザーダイオードが幅広く使われています。

(2) 測定領域:測定領域とは、レーザーが照準を合わせているチャンバー(試験層)のことです。試料媒体(空気、液体または気体)は測定領域に引き込まれ、ここでレーザーに照らされて、微粒子に反射して散乱した光が光センサーにより検出されます。

(3) 光センサー:光センサーは光に敏感な電気装置です。レーザー光線が散乱した時に光センサーへ光が届くと、光センサーは電気パルスを発します。この電気パルスは増幅器により制御電圧へと変換されます。大き目の微粒子はより多くの光を散乱させるので、より大きなパルスを発生させます。

(4) 波高分析器:光センサーによるパルスは波高分析器に送られます。波高分析器は、パルスをビンと呼ばれる様々なサイズのグループに分類する装置です。

(5) ブラックボックス:ブラックボックスは各ビンのパルス数を取得して微粒子データに変換します。データの表示と分析にはコンピュータがよく使われます。

レーザーパーティクルカウンタの観察

観察#1

パーティクルカウンタは直接微粒子を数えません。微粒子により散乱する光の反射を数えます(または、背面から光を当てられて映し出された微粒子の影を数えます)。これは重要なことです。微粒子が散乱させる光の量、または、微粒子が作る影の量は以下のような様々な要因により変化するからです:

微粒子の形

現実世界の微粒子は、パーティクルカウンタの較正に用いるラテックス球のように滑らかではありません。微粒子が測定領域(試験層)を横切った場合、縦方向に移動した場合とは異なる量の光を散乱させます。

微粒子のアルベド(輝き/反射光の強さ) 微粒子によっては、他の微粒子よりも反射力が強いものがあり、より強い光を光センサーに散乱させます。光センサーはより大きなパルスを発生させ、パーティクルカウンタはこの微粒子を実際の大きさよりも大きいものとして捉えてしまいます。反対に、反射力の弱い微粒子は実際の大きさよりも小さい微粒子として捉えられてしまいます。

観察#2

パーティクルカウンタは、室内に存在するすべての微粒子を測定するわけではありません。部屋の規模にもよりますが、パーティクルカウンタが1分間に測定する量は、5,000平方フィート(464.5平方メートル)、天井高さ12フィート(3.658メートル)のクリーンルーム全体のわずか1/60,000(0.0000166%)です。1時間ではこの60倍、または、空気/気体/液体の全体量の0.001%です。このことからも、パーティクルカウンタは統計的に有効なクリーンルーム(またはタンク内の液体やシリンダ内の気体)の空気試料を使用する必要があります。統計的に有用な空気試料とは、室内の平均的な空気のサンプルを指します。

簡単に思えますが、微粒子が拡散していない(部屋またはボトルといった容器内で微粒子が均一に分布したわけではない)ので、問題が生じてしまいます。微粒子は層流にとどまったり、乱流内に堆積したり、表面に付着したり、暖かい空気で上昇したり、天井付近に溜まったりする傾向があります。クリーンルームはこれらの粒子トラップを最小限に抑えるように設計されていますが、完璧に排除できるわけではありません。

パーティクルカウンタの種類

現在は、様々な種類のパーティクルカウンタが販売されています。一番の大きな違いは、微粒子を含む媒体(空気、液体、気体、真空、表面)により種類が異なるという点です。

エアロゾル:最も一般的なパーティクルカウンタ。HEPAフィルターを使用するクリーンルームの汚染測定に用いられます。

液体:液中パーティクルカウンタは飲料水から注射剤薬液、トランスミッション液、フッ化水素酸まで、すべての液体に用いられます。一定量の液体をパーティクルカウンタへ引き込み、一定の流量でパーティクルカウンタを通過させる『サンプラー』と呼ばれる付属装置を必要とする液中パーティクルカウンタもあります。その他のパーティクルカウンタは加圧源に接続するだけで使用できます。

ガス:ガスの中に浮遊する微粒子を測定するパーティクルカウンタもあります。ガスには、不活性、揮発性、乾燥性(無水性)、水蒸気を含むものなどがあります。

真空:半導体の製造工程には、真空状態で行う作業があります。製造で使用する機器や素材により発生した微粒子は特別にデザインされたパーティクルカウンタで測定されます。

表面:半導体の表面は、次の層を追加する前に清浄な状態(微粒子が付着していない状態)になっている必要があります。レンズやミラーのような光学部品も微粒子に汚染されていてはいけません。表面分析型パーティクルカウンタは、地形図のような表面の配置図を作成し、微粒子の位置、粒径、形状を表示します。

大気/気象

パーティクルカウンタは、汚染防止や気象学など、大気汚染を調べるためにも用いられています。中には、水滴、氷晶、凝縮核を測定するものもあります。

パーティクルカウンタの様々なテクノロジー パーティクルカウンタの設計に用いることができる様々な技術的バリエーションがあり、パーティクルカウンタの種類と用途により適用されます。

散乱型と消光型

光散乱型パーティクルカウンタは光線の中を飛行する微粒子により反射された光の量を測定します。消光型パーティクルカウンタは測定領域を背面から光を照らし、光センサー上に映る微粒子の影を測定します。

容積型と非容積型

容積型パーティクルカウンタは試料媒体全体を対象にしますが、非容積型パーティクルカウンタは使用媒体の一部分を対象とします。

モニターとスペクトロメーター

前述の通り、レーザー光線の強さは光線全体が均一なわけではありません。レーザー光線の中心部は光線の外側に比べてより強力です。モニターは、微粒子測定にレーザー光線全体を使いますが、スペクトロメーターは中心部しか使いません。これは、スペクトロメーターの方がより精度の高い微粒子測定が行えるということを意味しています。なぜなら、測定領域の端を通過する微粒子は、中心部を通過する微粒子と同量の光を散乱させるからです。用途により、モニターが適切な場合もあれば、スペクトロメーターの方が適切な場合もあります。

モニターまたはスペクトロメーターの選択

一定の光の強さでは、小さい微粒子は少量の光(暗い)を散乱させ、大きい微粒子は大量の光(明るい)を散乱させます。

レーザー光線の光の強さはガウス分布または釣鐘曲線で分布しています。例:中心部が最も明るい。(ガウス分布については本書で後述しています)

レーザー光線を通過する微粒子は、レーザー光線の中心部を通過しなければならない、と意識しているわけではありません。微粒子がレーザー光線を通過する際、微粒子が光線の端に入った時は光量を絞って暗くし、光線の中心部を通過する時には明るくし、光線の端を通過して測定領域から出る時に再び暗くなるというのが理想的です。しかし、現実では、微粒子は光線の端を通ることもあり、暗い光を放つ結果となるのです。

光センサーが検知できる範囲を光線の中心部に限定しない限り、小さな電気パルスが光線の中心(明るい部分)を通過した小さな微粒子によるものなのか、光線の端を通過した大きな微粒子によるものなのかを波高分析器が判断することは不可能です。パーティクルカウンタによる粒径測定の正確性には限界があるのです。

微粒子スペクトロメーターは集束法や遮へい法を用いて測定領域を光線の中心部に限定しています。スペクトロメーターの試料量と流量は少量ですが、明確な粒径データを提供してくれます。スペクトロメーターは、単分散粒子のフィルター材のテストなど、問題分析や研究に活用されています。

特定粒子の正確な粒径を追及する必要がない場合(場所)もあります。そのような場合(場所)には、微粒子モニター(光線全体を観測します)が適切です。モニターの方が、より多くの流量と試料量に対応できます。純水(DI)システムや工場、または、その関連配管システムを複数個所で監視する機器として活用されています。

凝縮型パーティクルカウンタ(CPC)と不揮発性残留物モニター(NRM) 自動化された微粒子測定技術は最小粒子感度に限界があります。前述した光学技法では、レーザー光線を通過する微粒子が存在しない時に『暗い』信号を発するバックグラウンドノイズよりも小さな信号を発する微粒子は検出されない、ということはご承知のとおりです。

微粒子を、パーティクルカウンタで検出される粒径まで『成長』させる方法があります。凝縮型パーティクルカウンタ(CPC)は、ブチルアルコールなどの揮発性液体の貯蓄タンクを備えています。試料空気流は、アルコールの蒸気と試料空気が混合される温かいチャンバーを通過します。次に、試料空気とアルコールの蒸気は冷たい凝縮チャンバーを通り、アルコールの蒸気は過飽和状態となり、水滴となって微粒子に凝結します。0.01 μmの小さな微粒子は顕微鏡でしか見えないほど小さなアルコールの水滴に囲まれるのです。一般的に、すべての微粒子/アルコールの水滴が約1〜2 μmまで『成長』し、容易に検出されるようになります。

CPCは、余分なアルコールが水滴となって微粒子数として加算されないよう、余分なアルコールはすべて凝縮チャンバーの内壁に向かって拡散されるように設計されなければなりません。光学パーティクルカウンタと同様、微細粒子を検出できるCPCの構造はより複雑で、メンテナンスもより頻繁に必要となります。

常に可能な限り小さい微粒子を数える方が良い、と考えている方もいらっしゃるでしょう。では、なぜ常にCPCを利用しないのでしょうか?OPC(光学パーティクルカウンタ)と比較して、CPCには不利な点があるのです。それはアルコールです。アルコール貯蓄タンクは定期的に補充しなければなりませんが、ブチルアルコールは匂いがきつく、ブチルアルコール以外で使用できるものは高価な過フッ化炭化水素なのです。CPCが傾いた場合はアルコールがこぼれ、濡れてしまった部分が完全に乾き、正常な状態に回復するまでデータは得られません。ほとんどの環境(クラス1000、またはそれより清浄度の低い環境)では、CPCの測定が追いつかないほど大量の微粒子が検出され、正しいデータは得られないでしょう。OPCとは異なり、CPCは粒径情報を報告することができません。CPCでは、すべての微粒子が同じ大きさに『成長』するため、微粒子が検出されたということだけは報告できますが、粒径は報告できないのです。

不揮発性残留物モニター(NRM):液体とCPC

エアロゾルカウンタの感度向上に用いられるCPC技法は、液体にも用いられます。非揮発性残留物モニター(NRM)は試料液体を液滴にするために噴霧器を使います。液滴はヒーターで温められ、乾燥された列を通って蒸発し、残留物の微粒子が残ります。溶解塩、小さな有機物、コロイドシリカのような無機物は、液中に含まれている間は目に見えず、液体用OPCでは検出できません。しかし、これらの物質を含む液体が蒸発すると、残留物として現れるのです。この物質は、CPCで検出可能な粒径まで『成長』させられます。

もちろん、他の光学微粒子測定と同様に、NRMは検出された物質の化学的構造は報告できませんが、NRMデータを適切に傾向分析すれば、桁違いに高価で時間のかかる原子吸光分析法のような試験を行わなければ検出できない汚染量の増加を把握し、警告を発することができます。NRMは純水工場などで重宝します。フィルター材の交換周期が長いため、大幅なコスト削減を実現できますし、DIベッドの逆流洗浄時期を適切に計画することで生産におけるダウンタイムも軽減できます。

パーティクルカウンタの使用

パーティクルカウンタを効率良く使うためには、正しく取り扱い、導入し、使用しなければなりません。正しく扱うことにより、機器は正常に稼働し、統計的に有効な試料を確保できるのです。

パーティクルカウンタは他の機器とは異なります。外観がオシロスコープに少し似ているのでオシロスコープのように扱われる傾向がありますが、パーティクルカウンタは他の電気装置のようにシンプルではありません。振動やRMI(無線磁気障害)、極度の熱や冷気、埃などの環境ストレスにとても敏感な高性能電子機器なのです。

パーティクルカウンタの取り扱いについて

開梱

ほとんどのパーティクルカウンタはクリーンルームで製造、梱包されています。パーティクルカウンタが包まれているビニール袋は、パーティクルカウンタを実際に使用する場所に運び込むまで開封しないでください。特に、クリーンルームで使用する場合は他の場所で開封しないでください。こうすることで、気中の埃や湿気による光学面の汚染を最小限に抑えることができます。機器の設置前にマニュアルを読むことも重要です。

設置

パーティクルカウンタを、アース付コンセント付近の清浄かつ水平な場所に設置します。電気的ノイズのある場所(電気モーター、継電器、変圧器などから発生する電圧ノイズが多発している環境)には設置しないで下さい。電気ノイズは誤測の原因となる場合があります。

保管

パーティクルカウンタを保管する場合は、(クリーンルームに設置されている場合は、清浄な環境から運び出す前に)ビニール袋に密封し、マスキングテープでラベルを貼付します。ラベルには、パーティクルカウンタの種類、日付、保管理由、シリアル番号、較正期限を表記しておくと、社外での再較正を依頼する際にそのまま出荷することができ、再梱包する手間が省けます。

振動のない環境で、室温が約12℃に保たれた室内の頑丈な棚にパーティクルカウンタを保管します。保管中のパーティクルカウンタを動かしたり、付近の物を取ろうとしたりした時に、人の不注意によりパーティクルカウンタが破損する危険性のない場所に保管してください。

履歴ファイル

パーティクルカウンタの使用開始日、較正期限、使用回数、メンテナンス(光学部品のクリーニングなど)の実施日、事故やトラブル、異常などを記録するファイルをご用意下さい。実際にパーティクルカウンタを使用・管理するオペレーターが記入すると良いでしょう。

パーティクルカウンタは日常のメンテナンスが必要です。代表的な項目は、光学面のクリーニングです。時間の経過に伴い、光学面にはレーザーの光を散乱させてしまう埃が堆積し、感度の低下、誤測を招く可能性があります。パーティクルカウンタに同梱されていた取扱説明書に従い、この問題に対処してください。多くの機器は、使用者がクリーニングを行わなければなりません。注意深く指示に従って実施してください。不確かな点や、不明な点がある場合は実施せず、メーカーにお問い合わせください。

パーティクルカウンタの用途

このセクションでは、微粒子に関する情報を収集するための微粒子測定器と付属品の使い方について説明します。始める前に、すべてのパーティクルカウンタに共通するコンセプトをいくつかご紹介しましょう。知っておくと便利です。

トレンドトラッキング

フィルターシステムが設置され、製造環境が可能な限り清浄に整えられた後、さらに微粒子汚染を減少することができるかどうかはわかりません。室内にどのくらいの微粒子が存在するかということを知っても、あまり役立ちません。パーティクルカウンタは傾向分析に役立つものなのです。パーティクルカウンタは、監視している環境内で徐々に、あるいは突然起こる汚染の量の変化を監視しています。変化が起きれば、フィルターに問題があるのか、器具が汚れているのか、作業に問題があるのか、ドアやバルブが開放されたままになっているのかなど、オペレーターに注意を促すことができます。

パーティクルカウンタには、さらに高度な使い方があります。これらについては、各種類のパーティクルカウンタについて説明する部分で後述します。

統計的に有効な試料

このコンセプトについては前述していますが、重要事項ですので再度記述させていただきます。統計的に有効な試料とは、微粒子を含む媒体のサンプルであり、粒子含量と物理特性が、試料の採取源となっている残りの媒体とほぼ同じものを指します。

データの標準化

パーティクルカウンタは試料媒体を一定の流量で引き込み、媒体中の微粒子の数を測定します。パーティクルカウンタにより収集されたデータを検証する方法は2通りあります。

実測値

特定の粒径チャンネルで測定された合計微粒子数を実測値と呼びます。実測値では、試料量に対する微粒子量は関係ありませんので、試料媒体がどの程度汚染されているかを示しません。このデータは機器の較正などの用途に活用できます。

標準値

標準化とは、データに前後関係を与えてデータを利用しやすく整えることです。微粒子測定では、パーティクルカウンタにより測定された合計微粒子数を試料量で割った値が標準値(標準化された値)となります。

釣鐘曲線分布(ガウス分布)

現実世界の微粒子のほとんどは、0.30000 μmという粒径には当てはまりません。我々が0.3 μmと呼ぶ微粒子は、0.3 μmより多少大きかったり小さかったりします。0.3 μmを微粒子の公称粒径と呼ぶ理由は、便利だからです(例えば、「粒径0.2547μmから0.3582 μmの微粒子」と呼ぶよりは分かりやすいでしょう)。公称粒径との差異は平方偏差です(平方偏差とは、標準偏差の二乗です)。

公称粒径0.3 μmで正確に微粒子数を測定し、結果をグラフで表示するとこのようになります:

このグラフでは、ほとんどの微粒子が0.30 μmに非常に近くなっています。0.30 μmより多少大きい、あるいは小さい微粒子の数は少数です。0.30 μmよりかなり大きい、あるいは小さい微粒子の数は最も少数です。パーティクルカウンタでは、曲線から外れた微粒子は次に大きい、あるいは小さい粒径に分類されます。これを釣鐘曲線(またはガウス、正規)分布と呼びます。

セクションW:ハードウェアと付属品

エアロゾルパーティクルカウンタ

エアロゾルパーティクルカウンタは、空気中の微粒子汚染を検出・測定するために用いられます。一般的な用途は、クリーンルームや微環境のような清浄な環境における微粒子汚染の傾向を把握することです。室内空気の監視に加え、エアロゾルパーティクルカウンタは大きな機器内の気中微粒子のモニターとしても利用できます。

もうひとつの一般的用途としては、フィルター効果の監視です。フィルターの吸入口と排気口を監視します。フィルターへの空気流入量と排出量を比較します。フィルター効果が突然低下した時点で警告を発することができるようにパーティクルカウンタを設定することもできます。

すべてのパーティクルカウンタと同様、エアロゾルパーティクルカウンタは汚染傾向の変化を検出する装置として用いるのが最も効果的です。

エアロゾルパーティクルカウンタの粒径チャンネルの範囲は、最小0.05 μmから最大数百ミクロンまでです。チャンネル数と各チャンネルの粒径範囲は、パーティクルカウンタのメーカーや機種によりますが、工場でプリセットされていたり、ソフトウェアで設定可能となっていたりする場合があります。

エアロゾルパーティクルカウンタの代表的な使い方のひとつは、クリーンルーム内の棚に設置し、事前に設定したレベルより汚染が増加した場合にアラームが鳴る(音を発するアラーム)ように設定して使う方法です。統計的に有効な試料を採取するためには、室内の数箇所で試料採取する必要があります。その方法として次の3つが挙げられます:

  • エアロゾルマニホールド(以下で説明されています) * パーティクルカウンタの移動 * 統計的に有効な試料は1箇所で採取可能であることの実証

エアロゾルマニホールド

エアロゾルマニホールドを使用することにより、1台のエアロゾルパーティクルカウンタで様々な場所から試料を採取することができます。エアロゾルマニホールドは通常、パーティクルカウンタにより制御された装置で、何本もの吸気管(空気の採取場所から吸気する管)と1本の排気管(パーティクルカウンタへ排気する管)が付属しています。管内での二次汚染や粒子損失を防ぐため、マニホールドの配置を注意深く行う必要があります。

等速プローブ

正確な試料を採取するため、試料管の終端で等速プローブが使われます。等速プローブは空気(または液体)の流れと同じ速さで動きながら空気(または液体)から試料を採取します。これにより、正確な、標準化された微粒子数が得られます。自由な速度で動きながら液体を採取しないプローブは非等速プローブと呼ばれます。

高圧拡散器

高圧拡散器はエアロゾルパーティクルカウンタが不活性加圧ガスの分析を行えるようにします。

環境プローブ

この装置は、温度、相対湿度、室内気圧、気流速度などを測定します。このデータはパーティクルカウンタや施設監視システム(FMS/後述します)へ送信されます。

ポータブルエアロゾルカウンタ

この小さなパーティクルカウンタは、クリーンルーム内の汚染源をピンポイントで示します。管の終端で等速プローブを使い、(ガイガーカウンターや金属探知機と同様に)微粒子汚染の種類に応じて異なる音を発します。

液中パーティクルカウンタ

液中パーティクルカウンタは、水、フッ化水素酸、石油化学薬品、注射剤薬液など、ほぼすべての液体に対応し、液中の微粒子を測定します。パーティクルカウンタは、フィルター効果の監視や、試料のバッチ処理を行う分野で品質管理装置として活用されています。

液体サンプラー

液体サンプラーは、正確な量の液体を引き込み、一定の流量で液中パーティクルカウンタへ送る装置です。液体サンプラーは、無加圧液体を扱う場合によく用いられます。

液体サンプラーを正しく使用することにより、キャビテーション(気泡による管の損傷)や気泡の形成を予防することができます。気泡は微粒子を付着(凝集)させたり、微粒子として数えられてしまったりするので問題視されています。

液体サンプラーは、圧縮して気泡を液体から排除することにより発生する泡立ちを低減または除去します。

観察器

液体用観察器は真空パーティクルカウンタのものと似ています。試料流に影響を与えることなく微粒子を確認することができます。

腐食性液体と配管

液中、特に腐食性液体に浮遊する微粒子の測定では、腐食性液体が接触した時に有毒性ガスの溶解・発散を起こさない接液面を備えたパーティクルカウンタを選ぶことが重要です。

Particle Measuring Systemsは様々な光学素材とプラスチックを液中パーティクルカウンタの接液面に使用しています。

光学材料

石英ガラス:ガラスに似た石英ガラスは、フッ化水素酸以外のほとんどの化学薬品に対応しています。

サファイア:フッ化水素酸をはじめ、半導体産業で使用される化学薬品のほとんどに対応しています。

フッ化マグネシウム:フッ化アンモニウムと過酸化水素以外のほとんどの化学薬品に対応しています。

配管

PVDF:多くの試料セルに使用されているプラスチックです。アセトンとの長期使用は推奨いたしません。

PFAテフロン:いくつかの試料セルに使用されています。PFAテフロンは、数種の化学薬品に対して浸透性があります。その他の素材としては、テフロン、KalRez(非常に高価なOリングの素材です)、Kel-Fがあります。

化学薬品への対応性

液中パーティクルカウンタに化学薬品を送る前に、(a)パーティクルカウンタ、液体サンプラー、すべての配管の接液面がその化学薬品に対応しているかどうか、(b)前回測定した化学薬品の残留物と、今回使用する化学薬品が化学反応を起こさないかどうか、という2点を確認しなければなりません。

ガスパーティクルカウンタ

ガスパーティクルカウンタは、様々なガス(不活性ガス、腐食性ガス)の純度を測るために用いられます。ガスパーティクルカウンタは、加圧下で微粒子数を測定する特殊なエアロゾルパーティクルカウンタです。シリンダ圧力を用いるタイプもありますが、その他のタイプは(減圧された)ライン圧力を用いています。

ガスの代表試料を取得・分析することは容易なことではありません。パーティクルカウンタをガス供給源に接続する作業など、半導体工場での試料採取には共通する課題があります。一般的に、チップ製造施設の外にある大きな装置で窒素を浄化し、太いステンレススチール製のパイプを通してチップ製造施設へ送っています。

半導体ガスには、それほど多くの微粒子は含まれていません。重力と拡散の影響で、存在する数個の微粒子について統計的に有効な試料を採取することは非常に難しいのです。

Particle Measuring Systemsの技術サポートタッフは、自家製高圧拡散器をエアロゾルパーティクルカウンタに接続したガス分析システムを目にすることがよくあります。Particle Measuring Systems製の高圧拡散器には、超清浄ガスの分析を長期間に亘り行い、改良を重ねて独自に開発した様々な機能が装備されています。ほとんどの自家製拡散器はまったく機能しません。ろ過されたガスの試料採取時に生じるゼロカウントエラー、測定された微粒子数のばらつきなどはすべて、Particle Measuring Systemsの設計者が高圧拡散器を販売する前に克服しなければならなかった問題だったのです。

高圧ガスパーティクルカウンタを使用するか、エアロゾルカウンタと高圧拡散器(HPD)を組み合わせて使用するかを決定する際は、ガスにかかる費用(HPDは分析されるガスよりも多くのガスを消費します)、希望する流量、機器の大きさ、粒径/機器の感度、データの表示方法(微粒子関連機器を扱う販売代理店にご相談下さい)を考慮しましょう。

真空パーティクルカウンタ

真空パーティクルカウンタは、真空環境(空気やガスが存在しない環境)で行われる製造プロセスに使用されます。最も一般的な例としては、半導体製造が挙げられます。

観察器

真空環境を乱さないためには、真空環境内で非侵襲的に(真空環境に影響を与えずに)微粒子を測定する必要があります。これを実現するため、配管には観察器が設けられています。観察器には窓があり、その視野に入る試料をレーザーが通過し、微粒子から散乱した光が光センサーで感知されます。一般的に、観察器はプロセスチャンバーとポンプの間に取り付けられます。真空パーティクルセンサーには、直接プロセス環境内に取り付けることができるタイプもあります。

真空パーティクルカウンタは、『プロセスツール』のユーザーに貴重なデータを提供します。例えば、ツールのクリーニング時期や特定ツールの動作最適化時期の計画、さらに可能であれば、消費されるウエハーの数を抑えることによりツールの稼動にかかるコストの削減に役立つ情報です。

表面分析システム

表面パーティクルカウンタは、シリコンウエハーや高精度ミラー、精密光学コーティング、液晶ディスプレイ、ウィットネスプレートなど、平らな表面に微粒子が付着することにより生じる微粒子汚染を測定するために設計されています。一枚の試験ウエハーに付着した微粒子数を繰り返し測定した場合に同じ結果を得られる表面パーティクルカウンタは、すべてのパーティクルカウンタの中で最も精度が高いことを実証しています。このような実験は、他のパーティクルカウンタでは行えません。

標準的な表面微粒子測定システムは、パーティクルカウンタ、ロボット、清浄な環境で構成されています。ロボットは、部品を製造プロセスから表面分析パーティクルカウンタへ運びます。パーティクルカウンタは部品をスキャンして、地形図のような表面の配置図を作成し、表面に付着している微粒子の粒径、形状、数を表示します。測定後、ロボットが部品をパーティクルカウンタから、検出された微粒子の量と付着位置により、適切な棚へ運びます。

セクション5:データの統合

施設監視システム(FMS)

施設監視システムは、すべてのパーティクルカウンタ、サンプラー、マニホールド、環境センサー、その他のミクロ汚染評価機器の相互通信、中央モニタリングステーションとの通信を可能にします。この通信網により、微粒子データの収集・分析が可能になり、ドアやバルブの開放、フィルターの故障、ダクト内での逆流など、様々な要因と微粒子量との相互関係を分析することも可能になります。

FMSは通常、オペレーターが稼働中のシステムを監視することができる特殊なソフトウェアがインストールされたコンピュータにより制御されます。アラーム警告が鳴るようにコンピュータを設定したり、レポートや分析データを作成するように設定することも可能です。

クリーンルーム、パーティクルカウンタ、FMSが整備された製造施設のサンプルです。以下に解説を記します。

FMSコンピュータとソフトウェア

各微粒子測定装置はFMSコンピュータに接続されています。コンピュータは、パーティクルカウンタとマニホールドの中央コントロールセンターとなり、収集されたデータを交換する場所となっています。FMSコンピュータは、微粒子データを分析したり、微粒子の傾向を把握したり、標準化された微粒子数が最大値に達した時や最低温度、最高相対湿度に達した時など、事前に設定した状態になった場合に警告アラーム(ローカルアラーム/リモートアラーム)を発することもできます。データは、FMSコンピュータに接続されたリモートコンピュータから表示することができます。

エアロゾルマニホールドとパーティクルカウンタ

この組み合わせは、等速プローブと共に、クラス10とクラス100のクリーンルームに加え、クラス1000の機器設置区域を監視するために使用されます。エアロゾルマニホールドは、複数個所の監視や、統計的に有効な試料を確実に採取するための同一箇所の重複監視を経済的に行うができます。エアロゾルマニホールドでは、一定量の微粒子損失や、試料間に遅れが生じるので、すべてのケースに適しているわけではありません。多重試料採取法は、混合試料が大きい吸気ポンプへ送られる前に、それらを継続的に監視する方法として用いることができます。さらに、試料の多重採取で生じる問題の解決にもつながります。試料間の遅れは小さな変化を見逃さないのです。

クラス100のクリーンルーム

特定の組立、テスト、梱包作業は、エアロゾルパーティクルカウンタ、エアロゾルマニホールドと場所Aで示されたハードウェアで監視されているこの環境で行われます。

クラス10のクリーンルーム

特定の組立、テスト、梱包作業では、他の場所よりも、より清浄な環境を必要とします。非常にデリケートなこれらの作業は、このクリーンルームで行われます。場所Aで示されているハードウェアにより監視されています。

遠隔モニター

この装置を使用して、クリーンルームの外から微粒子測定を観察することができます。

エッチング酸浴槽

施設のこの場所では、製品表面のエッチングに酸浴槽が使われます。この酸と、酸の除去にはかなりのコストがかかりますので、酸は可能な限りろ過して再利用されます。施設管理者は2台の液中パーティクルカウンタと腐食性液体サンプラーを使い、フィルター効果を確認することにしています。ろ過する前の微粒子汚染の量と、ろ過した後の汚染量を比較してフィルター効果を測定します。これにより、フィルターの交換時期を把握することができ、また、フィルターの破損も察知することができます。さらに、再利用できないほど酸の汚染がひどい場合には警告アラームを鳴らすこともできます。

HEPAフィルター効果のスポット検査

等速プローブ付エアロゾルカウンタはカートに取り付けられ、施設内のHEPAフィルターの効果をスポット検査するために用いられています。各フィルターは定期点検の一部として検査が実施されます。

微粒子の管内輸送

微粒子を一箇所に収集し、他の場所で測定を行うことは便利な方法です。時には、この方法を用いなければならない場合もあります。この方法では、管やダクトを用います。試料媒体が試料採取場所からパーティクルカウンタへ管内輸送された場合、2つの事が起きます:

  • 圧力損失 * 微粒子の管内付着

この2点を踏まえた上で、以下の事項を知っておくと便利です:

内径は、円管内部の直径です。

レイノルズ数は、管の形状、液体の粘度、管内の滑らかさ、管の強度、大気圧、温度、管内の流量に影響を与えるその他の要素を考慮した合計値です。

気圧損失は、空気が管内を通る距離に応じて低下する空気圧の量です。空気が7 mmの管に10 psiで送られた場合、20メートル先の終端では、空気圧は8.6 psiとなります。

ガス速度:ガスが直線を移動するスピードです。

粒子損失

以下のグラフは、内径3/8インチの半導電性のポリエステル管内で生じた粒子損失を表しています。Particle Measuring Systemsの流量3 CFMエアロゾルマニホールドを使用しています:

粒子損失を最小限に抑えるためには、エアロゾル輸送管用の推奨素材があります(粒子損失量を基に、望ましい順番で表記しています):

(1) ステンレススチール (2) 導電性ポリマー (3) ポリエステル (4) ビニール(可塑剤が影響しない場合) (5) ポリエチレン (6) 銅 (7) ガラス (8) テフロン (9) アルミニウム

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