液中微粒子測定について考える (234.4 KB)
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概要
本資料では、液中微粒子測定に関する数々の基本的な事柄についてご紹介いたします。実際にパーティクルカウンタを使用している企業を例として取り上げ、他の作業エリアへどのように応用できるか、その方法をご紹介いたします。さらに、光学パーティクルカウンタ(OPC)の利点、試料量と感度についても触れています。
モニタリングの利点
製品の製造中に液体を監視する一番の理由・目的は、コスト削減と生産性の向上です。清浄度検査に人材の労働力を投入したり、製品が完全にパッケージングされてから最終的な品質検査(QC)を行うという単純な手法を用いる企業が多いのが現状です。
業界から学ぶ
クリーンな環境における製造・生産が必要とされている他の業界で用いられている最良の方法を調査することにより、様々な業界にも応用可能な多くのことを学ぶことができます。例えば、半導体製造業者はパーティクルカウンタを利用してフィルターの交換周期を的確に見出すことにより、大幅なコスト削減を実現できるという事実を何年も前に学びました。誤った操作をしているという懸念があったため、安全性を極端に考慮した圧力低下レベルが設定されていました。
しかし、実際の液中清浄度を正確に把握するため、適切なパーティクルカウンタと他の電子モニタを組み合わせて使用したところ、今までのフィルター交換周期よりも2倍から3倍長い周期で交換すれば良いことが判明しました。フィルターのコストを考慮すれば、モニタリング機器の投資収益率(ROI)はわずか1年で元が取れるという採算になります。現在、製薬業界はフィルタードロップ方式でフィルター交換を行い、製品の出荷直前にシステムに対する品質検査を行う方法を好んで使用し続けています。
メモリの大容量化に伴い、データ記録製品を開発する業界ではわずかな利益のために競い合っています。ディスクドライブの構成部品には0.2ミクロン以上の微粒子が1平方センチメートルあたり2〜3個以上付着しないようにするため、低価格な循環システム、継続的にフィルターを行うクリーニングシステムを開発する必要に迫られました。多くの場合、清浄化は自動化されており、クリーニングツールに組み込まれています。自動車業界では、流れのない洗浄槽が幅広く使用され続けています。部品は、洗浄槽に入る前より出てきた後の方が汚染されるのだから清浄処理は無意味である、という意見もあります。品質保証は、視覚検査または部品から落とされた付着物の重量分析(スプレーによる噴き落としやフィルターに蓄積した残留物の収集という方法を用いて行う)により確定されます。
自動微粒子監視システムへの切替を考慮する際は、機器導入にかかる初期投資コストよりも、その機器を導入することで実現できる様々なコスト削減をあらゆる角度から検証することが大切です。数年前、ある大手半導体メーカーが数種類の圧縮型バッチサンプラーを購入し、異なる管理者が管理する2つのクリーンルームに分け与えました。片方の管理者は、各作業に適したより優れたフィルターを選別するためにサンプラーを駆使し、もう一方の管理者は、作業中のあらゆる不具合を監視するためにサンプラーを作業機器に統合しました。2人の管理者は、機器が6ヶ月以内にその対価分の役割を果たしたことを報告しました。この経験から得た情報は会社全体で共有され、これまで失ってきた多額の資金分を取り戻すために活用されています。
図2:圧縮型サンプラー - すべての表と図を参照するには、PDFをダウンロードして下さい
測定の基本
よく聞かれる質問は「光学パーティクルカウンタは、他の方法と比較してどうなのか?」という質問です。答えは「場合によります」です。微粒子を視覚的に測定する方法には様々な方法があります。自然発生する微粒子の多くは形が様々です。どのようにして粒経を分類すれば良いのでしょうか?
図3によると、最長の寸法で分類すれば良いのでしょうか?1つの軸に対する最長の寸法でしょうか?同じ場所でなければならないのでしょうか?微粒子を測定する場合、これらの異なる方法では答えが多少異なります。光学パーティクルカウンタ(一般的略語:OPC)は、2つの原理のうちの1つを基に動作します。既知のエネルギー密度の光源を一方向から照射し、その光の中を微粒子が通過することにより光が遮られます。この遮られた光の量を測定する『光遮へい法』、もしくは一方向からの光源から散乱した光の量を測定する『光散乱法』という2つの測定方法があります。測定結果は、粒経と形が既に把握されている較正用微粒子(一般的にはポリスチレンラテックス球(PSL)を用います)の光の量(遮へいされた光の量または散乱した光の量)と比較されます。言い換えれば、光学パーティクルカウンタは、液中に浮遊するPSLと視覚的に同経の自然微粒子を測定できるということです。
図3:粒経測定
この測定方法も他の方法に比べて結果が多少異なるかもしれませんが、この測定方法の併行精度は信頼性が非常に高いのです。さらに、使用方法も簡単で、労働力を極端に軽減させるなど、様々な利点が評価されています。
OPCを使用する監視プログラムを導入する際は、いくつか考慮しなければならないことがあります。オンラインで監視を行う場合は、パーティクルカウンタへ流れる微粒子の分散を避けなければなりません。使用していない時に閉鎖してOPCを隔離しているバルブは、監視時には完全に開放されていなければなりません。流量制御はOPCからの排出流で行います。
部分的に開放されたバルブは、微粒子測定に2つの影響を及ぼします:
第一に、長時間に亘り継続的に微粒子を堰止め、開放すると、高い微粒子数が検出されます。バルブの多くは、部分的に開放された場合にのみ、より広い表面積を流動に表します。システムの他のバルブを操作することにより起こる圧力サージは、拡大した表面積からより多くの微粒子を開放します。
二つ目は、バルブの開放度にもよりますが、試料流中に気泡が発生し、圧力低下を引き起こす可能性があります。OPCは一般的に微粒子と気泡の違いを見分けることができません。従って、本来の微粒子よりも多い微粒子数がデータに反映されることになります。
バッチサンプリングを行う場合は、試料採取装置が清浄するための十分な時間を設けることが重要です。機器の適切な操作は基本中の基本です。この種の機器に関しては、メーカーが推奨する使用方法に従うことにより、迅速かつ簡単に検査が行えるようになっています。
試料量 対 感度
パーティクルカウンタを選ぶ場合、単位時間毎に測定する微粒子量を考慮することはとても重要です。Particle Measuring Systemsでは、統計的優位性の重要性について記述した数々の技術資料を既に配布しているのでここでは触れません。一般的に、パーティクルカウンタがテクノロジの限界に近づくに従って、機器により判定される液体の量が流量の100%以下となるということは認識されているべきなのです。パーティクルカウンタのメーカー数社は、この違いについて仕様書に記載していませんので、「試料量はどのくらいですか?」と訊ねるのはとても重要なことなのです。
図4:高感度、高流量のパーティクルカウンタ
非常に清浄度が高い液体に対して高感度(非常に小さい微粒子も検知できる感度)が要求されるアプリケーションの場合は、最小微粒数を測定する測定時間を評価しなければなりません。清浄度が非常に高いアプリケーションでは数時間かかるかもしれません。残念なことに、この長さの試料間隔では、短時間に発生する一時的な不具合にオペレーターが気付く間も与えてくれないのです。これらの不具合を検知することが重要とされる場合は、感度を犠牲にして、より多くの試料量を処理できるパーティクルカウンタを用いることを考慮するべきでしょう。処理中の不具合はたった1つの粒経に対して起こるわけではなく、すべての粒経に比例して増加するということは簡単に理解できます。試料間隔を2、3分に設定できる感度が低めのパーティクルカウンタなら不具合が発生した時点で検出することができるのです。
結論
光学パーティクルカウンタは多くの業界で利用されています。しかし、その利点は十分に活用されていません。業界基準を設定すれば、超清浄な製造環境で最初の重要な一歩を踏み出そうとしている多くの製造業者がそれを参考にできます。
OPCと視覚的測定技術に相違点があっても、大きな違いはなく、OPCの優れた再現性はオペレーターの心強いツールとなっています。
最後に、『理想的な試料間隔において測定できる微粒子の量』は必ず考慮しなければなりません。この量が統計的優位性という点で十分でない場合は、より多くの試料量を処理できる感度が低めのパーティクルカウンタを選ぶことです。
著者
Dwight Beal
Particle Measuring Systems
ドワイト・ビールは、Particle Measuring Systemsの液体製品ラインのマネージャーです。アプリケーション・エンジニアリング&サービスにおける微粒子測定分野で25年以上の実績を誇ります。
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