校正用標準液を用いてLiQuilazパーティクルカウンタの動作確認を行う (540.4 KB)
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概要
容積測定光学パーティクルカウンタ(OPC)の動作確認をすることは多くのアプリケーションで必要です。本資料では、LiQuilaz®-SまたはEタイプOPCの動作確認に用いる校正用標準液の正しい利用方法について説明しています。以下では、LiQuilaz-SまたはEタイプの容積測定スペクトロメーターとシリンジサンプラーを使用したSamplerSightソフトウェアへのデータ収集方法を説明しています。『粒経測定の正確性』で説明されているように、OPCの完全な動作確認を行うには、最初に粒経測定の正確性をチェックすることが重要です。
はじめに
正確な粒径測定と微粒子量の測定には、化学薬品供給システムの制御、入ってくる化学薬品の受け入れ、または入ってくる部品の制御に関連しています。従って、適切なパーティクルカウンタを選ぶこと、そして適切な処理が行える状態に設定することが重要なのです。
OPCの動作確認を正確に効率良く行うには、適切な手順に従って作業を進める必要があります。手順を省略することは、時間とお金の無駄遣いにつながります。正しい方法とは、優れた検査手技、正しい機器の設定とデータ収集などです。校正用標準液は、LiQuilazパーティクルカウンタの動作確認のみに使用し、パフォーマンス検証には使用しません。校正用標準液は、粒経測定の正確性を計算するために『不完全なデータ』を提供します。従って、パフォーマンスを検証することはできないのです。
Particle Measuring Systemsでは、粒経測定の正確性をLiQuilaz-S OPCのパフォーマンス検証に用いています。校正用標準液はLiQuilaz OPCの較正には使われていません。
LiQuilaz OPCのデザイン
LiQuilazパーティクルカウンタは、センサを通過する微粒子を100%、測定する容量測定の機器です。画像1のように、キャピラリーはレーザー光線により完全照射されているため、キャピラリーを通過する液体の100%が分析されるのです。LiQuilazは微粒子を100%測定するため、校正用標準液を使用するテストは必要有りません。微粒子数測定の正確性とは、液中の微粒子濃度を正確に測定できる能力を指します。
センサが正確に粒経を測定している限り、正確な微粒子数も測定されているということです。例えば、何か不具合があったり、LiQuilazパーティクルカウンタが正確に調整されていない場合、正確な粒経測定は行われません。粒経測定の正確性とは、ポリスチレンラテックス球(PSL)の粒径を正確に測定する機器の能力を指します(画像2)。
校正用標準液とは?
校正用標準液は、特定サイズの微粒子が特定の密度で混合された容器です。LiQuilaz OPCで使用される校正用標準液の一般的な粒経は、0.35、0.6、15.0ミクロン(µm)EZ Calです。
校正用標準液を使用する場合は、容器に記載されている使用方法を必ず守らなければなりません。校正用標準液の混合方法、取り扱い方法、有効期限、そして校正用標準液は一度限りの使用(使いきり)であることについて詳しく説明されています。『試験成績書』には、4つの情報が記載されています。校正用標準液の名前、ロット番号、容量、そして粒経については平均直径、公差、粒度分布のCV値が記載されています。密度の項目では、密度の詳細と実際に測定された微粒子が記されています。
試験日と有効期限(試験日から6ヶ月間)についても記載されています。
画像4:試験成績書
例えば、0.344µmの校正用標準液では、平均直径0.344µm、公差0.01µm、CV値0.9%となっています。密度は、1000個/ml(+/- 100)で、実際に測定された密度は1019 個/mlとなっています。さらに、微粒子量測定の正確性は、0.3µmで85%となっています。よって、校正用標準液を測定した際に検出される0.3µm以上の微粒子数は765個((1000-100)*.85)から1100個 (1000+100)/mlとなります。
0.6µmの校正用標準液では、総密度が0.3µms以上となっています。この校正用標準液を正確に測定し、容器に掲載されている微粒子数を完全に測定するには、最低でも感度0.3µm のOPCを使用する必要があります。同様に、15µm EZ Calの微粒子を測定する場合は、10µm以上が必要となります。
テスト設定
OPCの動作確認を正確に行うためには、テスト内容を正しく製作してからテストする機器を設定しなければなりません。画像4は一般的なシリンジ型のサンプリングシステムです。適切な検査手技が必要とされます。テストを実施する担当者は、超高純度液体の微粒子測定、検査用ガラス器具の取り扱い、パーティクルカウンタの操作の経験を持ち、優れた検査手技と実績も持ち合わせていなければなりません。OPCの動作確認にあたり、次の要件が満たされなければなりません。
- OPCは、校正用標準液容器から直接試料採取可能なシリンジサンプラー(例:LS200)と共に使用すること。
- サンプラーの設定は、シリンジ容量、流量、試料量、重量、試料数などを適切に設定すること。
- 微粒子数が10個/ml以下のDI水を、校正用標準液により定められた最も感度の高い粒経チャンネルで測定した経歴を持つサンプラーとパーティクルカウンタを使用すること。指定されたDCライトを使用すること(S02 <0.5V, S03/S05 <0.05V, E20 > 8.25V)。
- 校正用標準液は、メーカーの取扱説明に基づき、適切に準備されること。
- 校正用標準液は新品、未使用かつメーカーにより定められた有効期限内のものでなければならない。
データ収集
データ収集もOPCの動作確認の重要事項です。既定の粒経チャンネルは、校正用標準液で定められた粒経が追加された場合にも適用されなければなりません。一般的な2種類のClintex校正用標準液の試験成績書では0.3µmsとなっています。表1は、Clintex校正用標準液に適した各LiQuilaz OPCの推奨粒経チャンネルを表しています。チャンネル間隔については、SamplerSightの機器設定で定義されます。表1:校正用標準液に使用するOPCの推奨粒経チャンネル
図1と図2の例では、LiQuilaz S02で0.344µmのClintex校正用標準液を測定する場合の適切なチャンネル設定を示しています。
図1:Clintexの0.344µm校正用標準液 低バックグラウンド計数
図2:Clintexの0.344µm校正用標準液 高バックグラウンド計数
校正テスト結果
校正用標準液の測定が終了した後は、LiQuilaz OPCが正常に動作しているかどうかを確認するためにデータ分析を行います。図1と図2の例では、LiQuilazが正常に動作しており、Clintex校正用標準液の仕様通りの測定結果を得ることができた(校正テストに合格した)ことを示しています。前記のClintex仕様に基づき、LiQuilazは0.3µm以上の微粒子を765個/ml以上検出していなければなりません。図1と図2では、1010.2個/ml、1024.0個/mlとなっています。さらに詳しくデータを分析してみると、確かに両方の例は校正標準液を用いたテストに合格していますが、結果には大きな差があることが解ります。図1では、新品の校正用標準液を適切に設定してテストが行われました。測定された総累計微粒子数は1340.6個/ml、そして微分データでは、0.344µmの校正用標準液を測定した場合に得られる0.3µmの微粒子濃度より高い濃度が示されています。このテストでさえ、少量の汚染が発生してしまいました。これらの測定がいかに難しいかお分かりいただけると思います。
図2では、有効期限の切れた校正用標準液を誤った設定でテストが行われました。測定された総累計微粒子数は2993.8個/ml、そして微分データには、規定より高い0.3µmの微粒子濃度は示されていません。これは、校正用標準液自体または測定機器の汚染レベルが通常より高いということです。
この2つのテスト結果を見れば、Clintex校正用標準液をLiQuilaz OPCの正確性を判断する基準として使用できない理由がわかります。2つのテスト結果には大きな相違があるにもかかわらず、センサはテストに合格しました。『不完全なデータ』は、LiQuilazが正確に粒経を測定しているかどうかを判断するために用いることができます。
粒経測定の正確性
校正用標準液が提供する『不完全なデータ』はOPCの粒経測定の正確性を計算するために用いることができます。校正用標準液はOPCの性能判定には使用できません。校正用標準液はOPCの動作確認にのみ使用されるべきなのです。
微粒子数測定エラー
校正用標準液は、校正用標準液に含まれる総微粒子数を検出し、OPCの動作確認に必要な情報のみを提供します。校正用標準液は、実際の試料測定における微粒子数の測定エラーを予測できるだけの十分なデータは提供してくれません。
結論
LiQuilazパーティクルカウンタの動作確認は、パーティクルカウンタが正常に機能しているかを判断する便利な方法です。校正用標準液はLiQuilazの動作確認に適しています。正確な結果を得るには正確な手順を遵守しなくてはなりません。校正用標準液は機器の性能を正確に判断するための十分な情報は提供してくれません。
参考
資料:LiQuilaz-Sタイプのパーティクルカウンタにおける粒経測定の正確性/ロジャー・カルロ(Roger Carlone)/2008年 Particle Measuring Systems
著者
Roger Carlone
Particle Measuring Systems
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